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ロンドンで輝くU-23代表の陰で、
“落選組”大迫、原口らが見せる意地。
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byAFLO
posted2012/08/03 10:31
チームの中心であり続けながら、最後の最後にロンドン切符を手に入れられなかった大迫。エリート街道を歩いた彼は、最初の挫折を糧にすることができるか。
U-23世代にとって五輪はあくまでも通過点である。
7月7日、落選後の初戦となった鳥栖戦で2得点を記録した原口は、試合中に思わず感極まり、悔し涙を流した。
「僕は浦和で輝く」
大迫と同様に、原口も“ここ”を強調した。
北京五輪で惨敗を喫したメンバーが現在のA代表の中核を担っていることから分かるとおり、この世代にとって五輪という舞台は一つのきっかけでしかない。種類は違えど、勝って得るものも、負けて得るものもある。だからおそらく、落選して得るものもある。
何より大切なことは、あらゆる経験とそこで得られた感情を自身のパワーに変えられるか否かだ。
もちろん、大迫や原口だけではない。落選という現実を突き付けられたすべての選手にとって、Jリーグはそれぞれの思いを発散する場となればいい。
ロンドン五輪後、別れを惜しむほど仲のいい同年代の組織は解体して、次なる世界の舞台を見据えた個人戦が始まる。Jリーグ後半戦のピッチに入り混じる、それぞれの気持ちを目にするのが今から楽しみでならない。