この敗戦を五輪本大会のシミュレーションとすると？

　関塚監督は、扇原貴宏をアンカーに置く4-1-4-1というシステムを初めて採用するなど、勝利への執念を見せた。

　指宿は「点を取ることだけを考えた」という言葉通り、決定的なシュートを放つなど、相手を恐れず積極的にゴールを目指すプレーを見せてくれた。

　齋藤は、バイタルエリアで緩急のあるドリブルを仕掛けるなど、国内組で唯一、気を吐いた。本大会のメンバー選考を兼ねているせいか、連動性は稀薄だったが、それを逆手にとって単独で勝負する姿勢は、関塚監督へのアピールにもなったはずだ。

　敗戦でのスタートになったが、これをロンドン五輪本大会に当てはめれば、初戦のスペインに敗れたという事態を想定することができる。このままズルズルと連敗して、早々に帰国を決めるのか。それとも意地を見せて、決勝トーナメントへと駒をすすめることができるのか。

　オランダ、エジプトと続くグループリーグの残り2試合は、本大会に向けて絶好のシミュレーションになりそうだ。