ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
<五輪代表連続インタビュー#9> DF・山村和也 「とにかく自分のできることを」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAtsushi Hashimoto
posted2012/05/22 10:31
5月18日現在、15位という下位にあえぐ鹿島アントラーズは、失点の多さが気になるところ。「大学とは違う。ひとつのミスが失点につながってくる」と気を引き締める山村和也だが、鹿島のルーキーにかかる責任は大きい。
U-23日本代表キャプテンの山村和也も危機感を隠さない。鹿島アントラーズでセンターバックとしてプレーし、徐々に調子を上げているが、この生き残りを賭けた戦いに、いかに挑もうとしているのだろうか。
――鹿島では、第3節からスタメンでセンターバックとして現在(第11節)までプレーしている。自分では、順調と捉えている?
「自分がセンターバックとして出れたのは、(中田)浩二さんが怪我したからなので、実力とは思っていないです。ただ、この時期にJリーグで試合に出れているのは、いい経験になっていますね。最初は緊張もあったし、スピードにも戸惑いましたけど、今は慣れてきました。ただ、失点の場面とかで声を出せば防げたシーンがあったんで、そういう部分はもっとコミュニケーションを取っていかないといけないかなって思います」
――押し込まれている状態で声を出すのは、なかなか難しい?
「そうですね。そこが今の自分の大きな課題です。監督にももっとコーチングをするように言われています。センターバックは、ピンチの時に細かい指示をたくさん出さないといけないんですけど、ひとつのことしか出来ていないんで、もう少し周囲を見れるようにならないと……」
――五輪代表ではボランチだけど、鹿島ではセンターバック。ポジションを統一してやりたいとは思わない?
「ボランチから今離れていることに、少し不安はあります。でも、センターバックをやることで前の選手のことを見れるんで、受け手の身になってパスの出し方とかを考えるようになった。そういうことを含めて、少しでも何か吸収できたらいいなって思うので、今は試合に出ることを優先したいですね。比嘉(祐介)とか試合に出れずに苦しんでいる選手もいますし……」
「このままだと本当に自分は出れなくなるっていう危機感を……」
山村が試合に飢えているのは、自身の成長のためだが、同世代たちの急激な成長を見て、刺激を受けたからでもある。
昨年9月、左第5中足骨亀裂骨折で戦線離脱を余儀なくされ、11月の最終予選のバーレーン戦とシリア戦には、出場することが出来なかった。その間、ボランチで急成長したのが扇原貴宏、山口螢の2人だった。
――昨年11月のシリア戦、スタンドから見ていて、何か感じるものはあった?
「チームが勝って嬉しい気持ちはあったんですけど、改めて、みんなうまいなって思いました。自分が出場している時から、試合に簡単には出れないというのはありましたけど、このままだと本当に自分は出れなくなるっていう危機感を感じましたし、もっと頑張らないといけないって思いました」