球道雑記BACK NUMBER
西村監督は自身の胴上げを予想済み!?
V字回復を遂げたロッテに死角なし。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byHideki Sugiyama
posted2012/05/19 08:01
「(交流戦については)去年は負け越していますから。ひとつひとつ、今までの形でやっていきたい」と淡々と語っていた西村徳文監督。
小野晋吾も西村監督の“未来日記”通りの堅実な投球を。
開幕から5試合をイースタンで先発した小野もそうだ。
小野は1カ月半遅れの“開幕”となったが5月13日の対福岡ソフトバンク戦(QVCマリン)では、ルーキー藤岡貴裕の2番手として今季初登板を果たすと、きっちり2回を無失点に抑え今季初勝利をもぎとった。
「この日が来るのを信じて準備してきた。やっと開幕出来た」
「新人がすごく頑張っているのでベテランもそれをフォローしたい」(ともに小野)
まるで“未来日記”を手に入れたかのように、西村監督の前述の言葉通りになった。西村監督には今季のゴールがすでに見えているのか?
一軍ヘッドコーチと二軍監督の交代で情報交換が緊密に。
慢性の腰痛で1年間をフルに戦うのが難しい一塁手・福浦和也についても大松尚逸との併用でけっして無理をさせない。4打点をあげて今季初のお立ち台に上がった4月18日の試合後も「ゆっくり焦らず休ませながら……。今はまだ無理をさせる時期じゃない」と西村監督はマイペースにコメントをしている。強い競走馬はゴールがどこかを知っているというが、今季の西村監督もゴールがどこにあるか見えている。そんな気さえしてくる。
昨年は最下位だったチームがなぜ短期間でここまで立て直すことが出来たのか。
一因として考えられるのは一、二軍の選手、スタッフの連携が昨年以上に取れていることだ。昨年一軍のヘッドコーチを務めていた青山道雄は今年から二軍監督に、昨年まで二軍監督を務めていた高橋慶彦は反対に一軍ヘッドコーチに就任したが、互いが互いの事情をよく知るだけに、今季は一、二軍の選手の入れ替え時期が絶妙になっている。
前述した渡辺、小野はもちろんのことキャンプ、オープン戦と二軍で過ごしてきた外野手の角中勝也が一軍昇格後、すぐに結果を出してスタメンに定着したのがもっともいい例だ。