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長野久義は「前」に出られるのか?
~清原も陥った内角の罠~ 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byHideki Sugiyama

posted2010/03/25 10:30

長野久義は「前」に出られるのか?~清原も陥った内角の罠~<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

セ・リーグは、開幕戦にベンチ入り可能となる出場登録名簿に長野久義の名前があることを発表。長野は開幕戦1軍登録を確実とした

内角を意識しすぎて球筋を見誤った清原和博。

「内角が弱いといっても、内角のストライクが打てないバッターは意外と少ない。内角を苦手にしているバッターの多くは、ストライクとボールの見極めができないことが原因になっているケースが多い」

 こういうのは野村克也前楽天監督だった。

 典型的な例が西武、巨人、オリックスで活躍した清原和博選手だったという。

 インコースに弱いといわれた清原だったが、決して内角打ちがヘタだったわけではない。確かに真ん中から外よりが最も得意とするホームランコース。それに比べれば内角は多少、詰まって苦しむ場面が多くなるのは仕方ないことだった。ただ、入団当時はその苦手の内角球をうまく腕をたたんでさばく姿も何度も見られた。決して内角打ちがヘタクソなわけではなかったのだ。

 だが、厳しく攻められるうちに、内角への意識だけが強くなりすぎてしまう。

「来るぞ、来るぞ」と待ち構えているところに、内側にスッとボールが来る。

「来た~!」という過剰反応から、微妙なコースのストライクとボールの見極めが出来なくなってしまう。その結果、ボール球に手を出して自滅していく。野村前監督曰く、それが内角を苦手として崩れていく打者の典型なのだそうだ。

長野に足りないのは恐怖に打ち克ち半歩踏み出す勇気だ。

 逆に言えば内角球でもストライクとボールをしっかり見極められるようになれば、かなりの部分で苦手を克服できるようになる。そのためには、やはり勇気を持って打席での立ち位置をノーマルにすることが大事になってくるわけだ。

「インサイドは投手の領土だ」

 メジャーではこんな格言がある。

 それだけ打者の恐怖心をあおるのが内角球で、この恐怖のゾーンを自分の領土としてうまく操った投手は打者との勝負に勝てる。

 その領土を投手から奪い取るためには、まずは境界線をきっちりと見極めること。そのためには半足だけでもいい。長野には前に出る勇気が必要なのかもしれない。

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