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プロ3年目の中田翔、由規、唐川。
「ビッグ3」飛躍の年を徹底検証。 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byHideki Sugiyama

posted2010/03/27 08:00

プロ3年目の中田翔、由規、唐川。「ビッグ3」飛躍の年を徹底検証。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

 アマチュア時代に「大物」と騒がれた選手が、プロでも一流になれるケースは少ない。現役でも松井秀喜、松坂大輔、ダルビッシュ有、田中将大と、即答できるのはせいぜいこのくらいだろう。

 大物と呼ばれた選手の多くが、プロの壁にぶつかり、悩み、もがき苦しみ、評判どおりのパフォーマンスを見せることができずにいる。1、2年目で言えば、巨人の大田泰示や西武の雄星がそのような現状だ。

「ビッグ3」と呼ばれた彼らもそうだった。

 中田翔、由規、唐川侑己は、高校時代に「No.1スラッガー」(中田)、「速球No.1」(由規)、「総合力No.1」(唐川)と高い評価を受け、'07年の高校生ドラフトでは全員が複数球団から1巡目指名を受けるほど、将来を嘱望された。

 だがこの2年間、周囲を納得させる成績を残せたかといえば、そうとも言えない。

 金の卵たちはその期間、プロの洗礼を受け、トップレベルでも戦い抜ける力を身につけた。そして、ようやく一流選手の登竜門に差し掛かりつつある。

 それは、彼らの言葉、数字だけを見ても、高校時代の評価を裏切ることなく、年々、確実に前進していることが分かるからだ。

新人王最有力候補。今年こそ真価が問われる中田翔。

 中田翔の場合。

 高校時代、通算本塁打の新記録を樹立したスラッガーは、プロ入りを控えはっきりと自分の持ち味を発揮する、と宣言していた。

「自分はどちらかというと『三振かホームラン』というタイプなんですけど、プロでもやっぱり長打にはこだわっていきたい」

 その言葉通り、1年目は二軍ながら11本の本塁打を放った。2年目は念願の一軍デビューを果たし、ファームでは史上初の30本塁打をマークした。

 打撃に関して言えば、積極的にバットを振れることが、長打と並び大きなセールスポイントのひとつ。それが開幕戦でも生きた。しかも、ただフルスイングするのではなく、内角球をコンパクトに振りぬける。今季開幕戦のあの2点タイムリーは、レギュラークラスの打撃が備わっていることを証明してみせた。

 これまで一軍に定着できなかった最大の原因は守備と走塁。今でもまだまだ克服の余地はあるが、中田同様、そこが課題でありながらも長年にわたり主力を務めたプロ野球OBが、「実戦でしかうまくならないものもある」と言っていた。だから今年は、主力で出場し続けることで、そういった難点を改善していけばいいのだと思う。

 中田は3人のなかで唯一、新人王の資格を持っている。評論家の多くが「最有力候補」と推すだけに、今年こそ真価が問われる。

【次ページ】 由規は剛速球へのこだわりを捨てることで飛躍した。

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