Jリーグ観察記BACK NUMBER
天皇杯でのJ1vs.大学で注目対決。
“ジャイアントキリング”なるか?
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byAFLO
posted2011/09/10 08:01
筑波大学を率いる風間八宏監督。2004年にJFA公認S級コーチライセンスを取得し、2008年から筑波の監督に就任。今年、4年ぶり25回目の天皇杯出場を果たした
J1勢にも気後れしない筑波の「人を外す」サッカー。
筑波大学を率いるのは、元日本代表の風間八宏監督。止める・蹴る・運ぶの基本技術をとことん突き詰め、そのうえで「人を外す」という発想を磨く。
4-4-2の布陣の中盤の底に入る4年生の八反田康平は、大学サッカー界で「相手に触れられずにプレーできる」と言われているゲームメイカーで、Jリーグの数チームが獲得を狙っている逸材だ。ユニバーシアード代表の赤崎秀平と瀬沼優司が2トップを組み、ゴール前で一瞬の動きでフリーになり、八反田からのパスを受けてシュートにつなげる。
ゴール前になると人を外すアクションがいたるところで始まるので、得点が決まったときに、何が起こったのかわからないときがあるほどだ。
筑波大学の強みは、Jリーグ勢に慣れていることだろう。筑波大学はどこが相手だろうが自分たちが主導権を握るサッカーをするため、プロの練習試合の相手として最適で、毎週のようにJリーグのクラブから対戦の申し込みがある。クラブにとっては公式戦に出られなかった選手の経験の場になり、大学側にとっては力を測る絶好の場になる。天皇杯でJクラブと対戦しても恐れる必要はなく、堂々と自分たちのサッカーをできるはずだ。
Jリーグ勢と他のカテゴリーのチームが対戦する天皇杯は、“異種格闘技”のようなおもしろさがある。あっと驚くようなノックアウトシーンを観られるのではないだろうか。