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丸佳浩、藤村大介、熊代聖人……。
平成生まれが野球界に吹き込む新風。
 

text by

氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

PROFILE

photograph byHideki Sugiyama

posted2011/07/20 12:35

丸佳浩、藤村大介、熊代聖人……。平成生まれが野球界に吹き込む新風。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

プロ4年目の広島・丸佳浩は、7月19日現在、打率.266、本塁打5本を記録。盗塁も7をマークするなど、走攻守そろった選手として広島のレギュラーに定着している

華やかな「スター街道」とは異なる道をいく巨人・藤村。

 熊本工時代には3度、甲子園に出場している藤村。彼の一塁到達タイムを計ったことがあるが、その数字には驚かされ「計り間違いかも」と不安になったほどだ。セーフティーバントで、一塁到達が3.50秒を計測。おおよそ一般的には4.30未満が俊足だと言われるから、このタイムがセーフティーバントだったことを差し引いても、驚異的な数字である。彼が塁に出るたび、走塁タイムの興味は増していった。

 プロに入ってからもその俊足は変わらなかった。

 6月24日の阪神戦ではセカンドゴロで3.92秒の脚を見せた。今月14日の同じく阪神戦では、二塁打が7.78秒の好タイム。彼の脚はプロにおいてもきらびやかだ。

 一つの武器を持った選手はプロで映えるものだ。一芸に秀でれば生きられるということを、藤村の脚は証明している。華やかな「スター街道」とは異なる道をいく藤村は同世代への意識も強い。

「僕は同世代を意識していますよ。負けるのは悔しいですし、刺激を受けています。丸は高校時代の対戦もありますし、BIG3じゃないけど、活躍しているので刺激になっています。負けられない」

「BIG3」に追いつく存在に、彼は近づいている。

西武・熊代は熾烈なレギュラー争いの真っ只中に。

「高校卒業して、社会人にいったことが遠回りじゃなかったことを証明したい」

 今年、西武に入団したばかりのルーキー・熊代は、内・外野どこでも守れるオールラウンダーだ。

 今治西高時代は、エースで4番として3度の甲子園出場。即プロ入りも視野に入れながら、社会人入りを経て、プロの門を叩いた。開幕は二軍で迎えたが、6月5日に一軍に昇格し、熾烈なレギュラー争いの真っただ中にいる。小柄な体格ながら、ガッツあふれるプレーで時にはチームの起爆剤となり、菊池雄星のデビュー戦として注目された6月12日の阪神戦でスタメン出場、2打点と活躍した。高校時代と変わらぬ丸坊主のヘアースタイルを貫く熊代は、今もさわやかな好青年だ。

「同級生の活躍は刺激になります。由規は高校のJAPANの時に一緒にプレーしましたし、意識しあえる相手ですね。中田や唐川とは絡みはないですけど、いつかは追い付きたいというのはあります。特に、僕は、高卒で入ったのではなく、社会人野球の道に行ったので、それが間違っていたと思われたくないんで、負けたくない気持ちはあります」

【次ページ】 ソフトバンク・岩嵜、オリックス・伊藤も成長中。

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