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CL決勝T1回戦はマンUが先勝。
陽気なミランの“若さ”が出た。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byUniphoto Press

posted2010/02/19 10:30

CL決勝T1回戦はマンUが先勝。陽気なミランの“若さ”が出た。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

ミランはホームで3失点の痛い敗北。8強に進むには次戦で最低でも2得点しなければならない

「われわれは今シーズンの天王山にいる。持っているものを全て出し切らなくては、マンチェスターUを越えることはできない」

 レオナルドの言葉は熱を帯びていた。チャンピオンズリーグ決勝トーナメント開幕をサンシーロで迎えたミランにとって、マンUは、強敵にはちがいないが験のいい相手。1958年以来、決勝トーナメントでのホーム対戦成績は4戦4勝。特に"完全試合"と呼ばれた3年前の準決勝第2戦は、両陣営にとっていまだに生々しく新鮮な記憶として残っている。

 赤い悪魔怖れるに足らず。あの完全試合をもう一度。

 1月24日のミラノ・ダービー敗戦で、いったんは落ち込みかけたチームをレオナルドは「笑顔がないぞ!」と鼓舞。布陣を入れ替え、直前のウディネーゼ戦で3点を奪うと、再びレオ流の陽気さあふれるファンタジー・サッカーを取り戻したかに見えた。

前半はロナウジーニョ中心のミランが主導権を握ったが……。

 試合開始のホイッスルから3分後、ベッカムのFKからロナウジーニョの華麗な先制ゴールが決まる。3年前にはいなかったフンテラール、パトと組む3トップと、高い位置にかまえた中盤が連係し、こぼれ球をことごとく攻撃につなげた。前半の主導権は、好調のロナウジーニョを軸に据えたミランにあった。

 しかし、前半36分、スコールズにアンラッキーな同点弾を決められた直後、SBアントニーニが右太ももを痛めて交代。後半19分にはCBチアゴ・シウバが右足を負傷し、当初の守備プランが狂ったところへ、FWルーニーが豊富な運動量でゆさぶりをかけ始めた。ミランの中盤から後方のDFラインは、同点にされて以降、明らかに集中力を欠いた。間延びしたスペースをスコールズとキャリックが突き、ルーニーの3点目をアシストしたのはフレッチャー。躍動したのは、3年前の準決勝セカンドレグにやはり先発し、苦杯を飲まされたMF3人だった。

“レオ・ミラン”が生後9カ月でファーガソンのマンUは20歳。

 劣勢時にルーニーを一人残して全員がペナルティエリア内に引き下がることも厭わない、ユナイテッドの実利主義に比べ、「どこが相手でも、ミラン流の陽気な攻撃サッカーをするだけ」というレオナルド采配には“青さ”が見られた。対戦前、ご丁寧にも敵将から「カカが抜けた穴は限りなく大きい。現在のミランの鍵はパト」と指摘され、パトが徹底マークを受けていたにもかかわらず、有効な対抗策を打たなかった。レオ・ミランはまだ生後9カ月だが、ファーガソンのチームは少なくとも20年余の成人に達している。

【次ページ】 「オールド・トラフォードで、2対0で勝つ」

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