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打たれた球をどう生かすか、です。
text by
永谷脩Osamu Nagatani
posted2004/05/06 00:34
今年はFA資格取得のほかに、アテネ五輪の日本代表ということもある。“勝負というのは長いスパンのトータルで考えたとき、必ずどこかにヤマ場がくると思っている。そのときに、これまでの失敗をどう記憶の中に留め、生かせるかが勝負の分かれ目になってくる。それがオリンピックで自分が欠場している期間になるのではないか”。
そういう思いから、今季は、ダイエーの若い投手たちに自立を求めてやってきた。その成果が本当に発揮できる正念場は、城島の読みでは夏場ということになりそうだ。
城島がいなくても大丈夫と言われるのは悔しいけど、そのように仕向けなければいけないと思う。僕は捕手というポジションが好きだし、相手の裏をかいて抑えたときなど、自分が本塁打を打った以上に嬉しいものです。捕手冥利に尽きるというか……。僕は、捕手は暗いという今までのイメージを払拭したいんです。憧れのポジションでなければいけないと思っています。だって、捕手は勝負の鍵を握っているんですから」
そう言って、城島は晴れやかに胸を張った。