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モウリーニョと春の逆襲計画。
~希代の勝負師が抱く2つの野望~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2011/03/28 10:30
CL準々決勝は4月5日と13日。トッテナムを順当に蹴散らせば、次は恐らくバルサとの雪辱戦だ
CL制覇のために他のタイトルをすべて捨てる可能性も。
リーガのレアルは、首位のバルサに勝ち点で5ポイントの差をつけられている(29節終了時点)。シーズン終盤に来て、この差は大きい。仮に4月の直接対決に勝利しても、両者の順位は入れ替わらないからだ。
となると、希代の勝負師モウリーニョは、リーガを捨て、国王杯を捨てて、チャンピオンズリーグ一本に照準を絞ってくる可能性がある。もちろんもうひとつ、彼の場合は「ホームで9年間無敗」という超絶的なレコードの保持がかかっているのだが、もしチャンピオンズリーグのタイトルを手に入れられるのなら、これさえ捨ててかかる可能性は十分に考えられる。
さあ、どう出るか。
モウリーニョのインテルが無敵艦隊バルサを沈めたのは、ちょうど1年前の4月だった。果たして今季の彼は、レアルを率いてどんな作戦を立てるのか。モウリーニョ虎視眈々。勝っても負けても、鳥肌が立つような展開になることを期待しよう。