12月6〜8日にフランス・グルノーブルで開催されたグランプリファイナル。野口さんは現地で取材し、選手の生の声を取材してきました。
「よく挑戦し、それぞれが課題を得た試合だと思います。ファイナルという場なのに、300点越えに誰も近づけませんでした。でもそれぞれの内容を見るとすごいことをやっているんです。点数にすごさが現れなかった試合だなと思います。現場で見ての盛り上がり、演技の素晴らしさは非常に感じました」
野口さんは試合全体を振り返り、そう評します。
日本のエース・鍵山優真選手はSP93.49点、FS188.29点で合計281.78点の2位。フリーは今までにない曲調、フラメンコに挑戦していますが、野口さんは「そんなに苦戦しなくてもいいのに」と印象を語ります。鍵山選手の完璧主義、目標を高く置きすぎていることが悪い方に働いて、できないことばかりに目を向けてしまっている印象だったそう。
「NHK杯の方が勢いがありましたね。丁寧にやろう、やろうとして、逆にプログラムが全体として成立していない印象がありました」
スケートの技術は、現在のシニア男子を見回してみても圧倒的に世界一。強気になれていないことに「もったいない」と野口さんは言います。
3位になった佐藤駿選手は「フリーが素晴らしかった」との評価。元々ジャンプを武器とする選手ですが、ジャンプが目立たないほどスケーティングそのものが進化してきました。もう少し点数が出ても良かったのでは…という思いもありますが、本人はとにかく「出し切りました」と大舞台で完全燃焼したようです。
圧巻の滑りを見せたイリヤ・マリニン選手。フリーでは予定の構成を本番で変更し、トリプルアクセルを4回転アクセルに。4回転7本すべてを跳ぶ偉業を成し遂げました。しかし7本すべてに減点がつき、得点は伸び悩み。そのことを本人は全く気にしていないようで、大物ぶりがうかがえます。
話題はほかにも
- 鍵山選手が特に「大ショック」と言っていた部分は?
- マリニン選手は4回転アクセルを練習しなくても跳べる!?
- 新星ミハエル・シャイドロフの伸びしろ
- 今回は「滑りやすく、高さの出ない」氷だった
- リンクが普段より小さかった理由
などなど、さまざまなテーマにわたりました。
鍵山選手、佐藤選手がGPファイナルで何を感じ、週末からの全日本選手権でどのように修正してくるか。ポッドキャストを聞いて様々な視点からお楽しみください。(12月11日収録)
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