現代のマットに継承されるストロングスタイルとは? カール・ゴッチとアントニオ猪木を師に持つ2人は、新弟子時代にいかに関わり、その思想の影響を受けたのか。共に過ごした日々を数々のエピソードとともに振り返る。
初代タイガーマスクこと佐山聡と鈴木みのるは共通点が多い。ともに新日本出身で、佐山は'85年にシューティング(修斗)を創設。鈴木は'93年に船木誠勝らとパンクラスを設立し、総合格闘技の礎を築いた。その後、鈴木は'03年にプロレスに復帰し世界のリングで活躍中。佐山も現在「ストロングスタイルプロレス」を主宰している。そんなふたりの共通の師匠が、アントニオ猪木であり、カール・ゴッチだ。
――新日イズムの源流を辿ると、やはり猪木さんの師匠格である“プロレスの神様”カール・ゴッチに行き着きますか?
佐山 そうでしょうね。ゴッチさんの思想が猪木さんに影響を与え、それがストロングスタイルになったと思いますから。
――佐山さんも鈴木さんも、生前ゴッチさんと親交が深かったわけですよね。
佐山 新弟子の頃、ゴッチさんが日本に滞在していたので下っ端の僕が世話役でしたから。ずっと一緒でした。練習もキツかったけど、もっとキツいのは私生活。お話が好きな方だから、疲れていても英語の話をずっと聞かなければいけないし、几帳面でマナーにも厳しい。蕎麦をすすって食べたら怒られますからね。
鈴木 僕は'91〜'92年の藤原組の時、ゴッチさんが日本にいたんでずっと練習見てもらってたんですけど。藤原(喜明)さんと別れたあと、ひとりでフロリダ州タンパのゴッチさんの家を訪ねて、飛び込みで「稽古つけてくれ」って行ったことがあるんです。
佐山 練習してくれなかったでしょ?
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photograph by Takuya Sugiyama