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【動画】「3時間ぐらいずっと泣いて…」平島龍斗が語る涙の箱根駅伝1区、“辛さ”の先の全日本1区区間賞「玉城先生の指導は4年間で伸びる」《徹底解剖・日本体育大学2025③》

2025/10/17
 箱根駅伝など大学駅伝に挑む選手を動画でインタビューする連載「徹底解剖」に日本体育大学・平島龍斗選手が登場。今季は関東インカレ1部5000mで6位入賞、日本インカレ5000mでは3位で表彰台に上るなど、トラックで大きな存在感を放ちました。「あの景色を忘れることはないと思います」と語る涙の箱根1区から2年、過去の苦い経験を糧に成長してきた平島選手に、じっくりお話を伺いました。
 NumberPREMIERでは今季の日本体育大学を徹底解剖。玉城良二監督田島駿介選手の動画インタビューも公開中です。

「3時間ぐらいずっと泣いて、もう涙が止まらなくて。襷を渡すときに先輩が一人で待っている姿を見るのは、しんどかったです。次の日も朝練があったんですけど、顔を上げられなくて……。先輩の顔を見たくないというか、見られなかった。どういう顔で自分がチームにいればいいのかなって……」

 2024年1月2日のこと、第100回箱根駅伝について平島龍斗はこう話し始めた。2年時、初の出走となった箱根駅伝は1区最下位だった。

「チームとして1年間シード権獲得を目標にやってきた中で、自分が1区でそれを台無しにしてしまった。4年生が一生懸命やってきた1年間を、自分が1時間ちょっとで潰してしまった。罪悪感が一番強かったです」

第100回の箱根駅伝1区を走る平島(左端)
第100回の箱根駅伝1区を走る平島(左端)

 チームの1年の集大成となる箱根駅伝。4年生にとっては学生生活最後の大舞台だ。見えない重圧がのしかかる箱根駅伝の1区という大役に、平島は打ちのめされた。今でこそ穏やかに当時のことを振り返るが、この経験を乗り越え、再び立ち上がるのには長い時間を要したという。

 乗り越えるきっかけは、その年の全日本大学駅伝関東選考会後の学年ミーティングにあった。

「『お前、箱根に向き合えていないよ』とチームメイトから指摘されて。自分では向き合っていたつもりだったんですが、『まだ向き合えていない』と言われました」

 練習を続ける中で、あるいは普段の生活のなかで、チームメイトには平島の姿がどこか“逃げている”ように映っていたのかもしれない。平島にも思い当たる節があった。「レースの映像が(動画サイトの)“おすすめ”に流れてきたときに、うわ、みたいな感じで避けていた」と、悔しさを封じ込めたまま、無意識に距離を置いていたことを認めた。

 その後、チームの“3本柱”と呼ばれるまでになる平島だが、動画インタビューでは、チームメイトからの言葉で自分がどう変わっていったのか、過去をどう乗り越えたのかをじっくり語っている。

photograph by Nanae Suzuki
photograph by Nanae Suzuki

全日本大学駅伝の1区で区間賞を獲った。けど…

 挫折を乗り越え、平島はさらに強くなった。昨シーズン、11月の全日本大学駅伝では1区を任されて区間賞を獲得。箱根駅伝も再び1区を担い区間3位と、過去の自分を大きく超える走りを見せた。「この舞台で結果を出したい」と辛い作業を乗り越えた成果を、結果で示した。

「個人の走りとしては嬉しかったです。“やっとチームに貢献できた”という気持ちが強かった。ただ、結果としてチームは12位。次の日のお昼くらいには嬉しい気持ちよりも、悔しい気持ちの方が勝ちました」

 そうして迎えた4年目の夏。8月には毎年課されていた「月間1000km」を、初めて走り切った。「最後の1年、後悔のないように」、そう自分に言い聞かせ、丁寧に積み重ねてきた。昨年は個人として一定の成果を残したが、「4年目はそれを超える結果で終わりたい」と話す。つまり、個人の結果ではなく、チームの目標達成のために尽くすということだ。

 次の箱根駅伝もチームの状況を背負うつもりでいる。1区を走りたい気持ちをおさえて、「走れるようにならなければいけない」と考えている区間を、インタビューで明かした。

菅平合宿中に笑顔を見せる平島(右)と田島 photograph by Yuki Suenaga
菅平合宿中に笑顔を見せる平島(右)と田島 photograph by Yuki Suenaga

 静かな語り口だが、言葉の端々にチームへの責任感と仲間への想いが滲む。その中でも、ともに走り続けてきた田島駿介、山崎丞の存在が大きい。「3人が3人とも意識している」というライバル関係の始まりは1年生の時にまで遡るそうだ。

 

4年で伸びる——玉城監督のジョグ重視指導

 強烈なライバル関係の始まり、最後の箱根駅伝にかける想い、将来の目標とは。動画インタビューでは、そのほか、以下のことに触れている。

  • 月間1000km達成——ラストイヤーの覚悟
  • トラックシーズンの充実度は?
  • エース区間で戦う意志
  • 「負けたくない」田島駿介、山崎丞と歩んだ4年間——“3本柱”の関係
  • 涙の箱根1区とあのときの“罪悪感”
  • 前回の箱根駅伝1区3位を振り返って
  • “ジョグ重視”“4年で伸びる”——玉城監督の指導
  • 最後の箱根、そして将来の目標は?

 苦しんだ2年前の箱根駅伝、あのとき止まらなかった涙。平島は仲間の言葉をきっかけに、その痛みに真剣に向き合い、力に変えてきた。冷静な語り口に熱い想いが滲むインタビュー、ぜひご覧ください。(9月8日取材)

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photograph by Yuki Suenaga

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