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【箱根駅伝】「優勝を欲するのは、選手か、監督か」青学大・原晋、中大・藤原正和らの言葉で102回大会を展望する《駒大・藤田敦史は「忘れ物」を探す》
「私、選手時代から勝ったことがないんですよ。一回も。選手としても、監督になってからも一回も勝ってないから、ずっと、なんかこう、遠いところに忘れ物を置いてきたような感じです」
大八木弘明総監督のもと、箱根駅伝を制すること8度。駒澤大学は優勝を宿命づけられているチームと言っていい。大八木のあとを受け、当時ヘッドコーチを務めていた藤田敦史が監督に就任したのは'23年。チーム史上初の三冠を達成した直後のことだった。だが、その指揮官自身は、一度も総合優勝を経験していない。
なぜ藤田はそれを「忘れ物」と表現したのだろうか。

9月8日、長野県・菅平高原。日本体育大学は富士見高原から場所を変え、この夏2度目の菅平合宿に入った。チームを率いるのは玉城良二。公立高校で36年教員をつとめ、女子駅伝チームを指導、その後'20年7月から日体大の指揮を執っている。この時、玉城はこう話していた。
「箱根駅伝で優勝したとしても走れるのは10人、しかし部員は60人、70人といます。全員が1年間チームで取り組んだことを、その後の人生に生かせるようにすることが教育の使命だと思っています。箱根で優勝を目指すことがだめなのではなく、肝心なことをしないで結果にとらわれることは、絶対あるべきじゃないと思っています」
日体大は継続中の大学では最長の78年連続出場中の“超”常連校だが、近年は優勝争いに加わっていない。指導者も結果に追われる大学駅伝界で、それでも「優勝よりも大切なものがある」と言い切る。
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