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【イチロー告白】「本当はこんな話はしたくない。でも…」2年連続最下位マリナーズで背番号51が語った「悪循環」と「心の乱れ」《インタビュー/2005年》

イチローは、怒っていたのだろうか。
デーゲームの試合前。イチローは一人、グラウンドを走っていた。そして次の準備に取りかかるために、ベンチ裏からクラブハウスに通じる階段を、無言で駆け上がっていった。
2005年10月2日、シアトル。
1試合を残して、69勝92敗。一つ上のレンジャーズにさえ10ゲームも離されてア・リーグ西地区の最下位が決まっていたマリナーズは、2年続けて屈辱のシーズンを終えようとしていた。今シーズンの最終戦、午後1時開始のアスレチックス戦は、ともにプレーオフには進まないチーム同士の消化試合。それでも、セーフコ・フィールドには3万5300人の観客が集まっていた。イチローは、デーゲームのときは必ずそうするように、慌ただしく試合前の準備をこなしていた。
しかし、他の選手はそうではなかった。
マイナーから上がってきたばかりの選手が多いチームだというのに、9月に入るとオフまであと何日だと指折り数え始める選手がいた。試合前のクラブハウスでカードゲームにばかり興じている選手もいた。最終戦の試合前はロッカーの荷造りに追われる選手があちこちにいた。個人的な目標もなく、漫然と試合をこなしている選手がほとんどだった。
そんなクラブハウスの雰囲気が、イチローには許せなかったのかもしれない。まずはあの最終戦のことから振り返ってもらった。
「あの試合がどういう意味を持っているのかを考えていた選手はいたのでしょうか。開幕戦には感じられないものが、あの日の試合にはいっぱいあったはずなのに……」
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