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【動画】「5区、6区は計算ができますから」櫛部静二監督に聞く箱根駅伝“逆襲”の展望、Wエースへの信頼、そして大学生マラソン挑戦の是非「科学的データでみると…」《徹底解剖:城西大学2025①》

2025/12/02

 箱根駅伝に挑む指揮官を動画でインタビューする連載「駅伝監督」に城西大学の櫛部静二監督が登場。箱根駅伝第100回大会で3位となり、「2年後には過去最高位を目指す」と以前取材したときに話していました。
 しかし今シーズンは出雲駅伝7位、全日本大学駅伝は9位でシード落ちと、本来の力を出し切れていないように感じます。ここから箱根駅伝をどう戦っていくのか、チームの現状と今後も含めて伺いました。

「出雲も全日本もあまりうまいきませんでしたね。直前にけが人が出たりしたこともあったのですが、大きな流れは悪くなかったのになぜかチームとして上がってきませんでした」

photograph by Tomosuke Imai
photograph by Tomosuke Imai

 ここまで2つの駅伝を終えた手応えをたずねると、櫛部監督からはこんな言葉が返ってきました。使いたかったけれど使えなかった選手がいますか、と重ねて聞くと、出雲では中島巨翔、全日本では三宅駿、村木風舞、キャプテンの山中達貴、鈴木健真と多くの名前を列挙。欠場の理由は体調不良など様々だったといいますが、「監督の責任ですね」と苦笑します。

 一方で、2つの駅伝ともにアンカーにエース斎藤将也を置けたことはチームの成長の証だといいます。これまでは斎藤を前半区間に置き、出遅れないようにレースを組み立て、後半で粘るというのが城西大のレース展開だったためです。

 1年時から活躍してきた斎藤も4年生で「次なるエース」の育成は城西大の最重要課題です。その筆頭として期待されるのが、2年生の小林竜輝と3年生の柴田侑。特に小林は全日本大学駅伝で各校のエースがひしめく2区を任されています。あまり体調がよくなかったため区間順位は13位でしたが、順調に力がついてきているといいます。

全日本大学駅伝で2区を任された小林©️Tadashi Hosoda
全日本大学駅伝で2区を任された小林©️Tadashi Hosoda

 小林は前回の箱根駅伝で、ルーキーとして6区を走って区間3位の好走。昨年5区区間5位だった斎藤が今年も山登りを予定しており、特殊区間の2区間で計算が立つことは、大きなアドバンテージです。

「今年は前回の復路を走った選手がみんな残っていて、彼らが往路を担う形になります。新しい戦力も少しずつ台頭していて、層は少しずつ厚くなっていますね」

ヴィクター・キムタイ、斎藤将也への信頼

 昨年往路を走って、今年も残っている選手は2区のヴィクター・キムタイと5区の斎藤。この2人は下級生のときからチームを引っ張ってきました。キムタイは出雲駅伝3区で3年連続の区間賞を獲得、その走りは「圧巻」というべきものでした。練習態度も非常に真面目で、櫛部監督は「こちらが見ていなくてもやれる選手」と大きな信頼を置いています。

「ヴィクターは勝負に徹する貪欲さがあり、学習する能力が高い選手です。学年があがるごとに走りはどんどん良くなっていますね」

 箱根駅伝では2区への出走が想定され、過去2回の経験を活かした走りが期待されます。

「学習能力が高い」と櫛部監督が評価するキムタイ©️Shiro Miyake
「学習能力が高い」と櫛部監督が評価するキムタイ©️Shiro Miyake

 そして斎藤将也の「卒業後」についても聞いてみると、まずはトラックの10000mで体を作り、その先にハーフマラソンでタイムを求める練習をしていくべきというのが櫛部監督の考えです。

「将来的にはマラソンを走るタイプだと思いますが、20代のうちにトラックで日本代表になってほしいですね」

 一方、近年は在学中にマラソンに臨む学生も増えており、今年の2月には青山学院大の若林宏樹、黒田朝日によって立て続けに学生最高記録が更新されました。在学中にマラソンを走ることについてどう思うか、と聞いてみると、科学的に体を研究している櫛部監督らしい論理的な答えが返ってきました。

 動画ではほかにも、以下のようなトピックについて語っています。

  • 山中達貴、桜井優我の力が必要
  • 4年生とのチーム作り
  • 全日本大学駅伝「1区」で起用したかった選手
  • トレーニングと科学的数値の関係
  • この4年間のチームの成長
  • 監督のリフレッシュ方法とは?

 チーム力は着実に上がってきていることは間違いない城西大学。「本来、走るべき選手」がしっかりと実力を発揮すれば、「6強」に食い込み、崩すことも大いにありえる…そう感じさせる取材でした。櫛部監督の優しい語り口も魅力的な52分のインタビュー、ぜひご覧ください。(11月13日取材)

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photograph by Tomosuke Imai

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