まさに事件だった。今年2月、レスリングがオリンピック中核競技から除外された時、オリンピック競技としての存続の危機をメディアもニュースとして大きく取り上げた。IOC(国際オリンピック委員会)はなぜこのような判断を下したのか? そしてFILA(国際レスリング連盟)はどう対処しているのか? 主要人物に話を聞くなかで、浮かび上がったキーワードは“近代化”だった。
まずスコットランドで、中核競技からの除外を決めた理事会メンバーの1人、IOCのC・リーディ副会長に取材した。
「我々の判断基準は非常に明確だ。その競技がどう発展してきたか、“近代化”してきたかを見ている。オリンピックを目指すのであれば競技同士は競い合わなければならない。修造、これは地球上で最大のショーに参加するための競争なんだ」
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photograph by AFLO