駅伝シーズンに挑む各大学の指揮官に動画でインタビューする連載「駅伝監督」に中央大学・藤原正和監督が登場。前回の箱根駅伝で1区から5区途中まで首位を走ったチームは、今季トラックシーズンで進化を見せ、日本選手権5000mに大学勢最多7名が出場するなど勢いがあります。では、駅伝で勝つためにここから何が必要だと指揮官は考えているのか。シューズの選択、各学年の成長株、キャプテンへの期待、チーム練習量。蔵王での夏合宿中にじっくり話を聞きました。
NumberPREMIERでは今季の中央大学を徹底解剖。近日中にキャプテン・吉居駿恭(4年)、柴田大地(3年)、岡田開成(2年)の動画インタビューも公開します。
中央大学の蔵王での夏合宿。10kmの上りタイムトライアルやクロスカントリーコースでの距離走、そしてジョグを見ていると多くの選手がシューズを履き分けていた。また、大阪体育大学の石川昌紀教授の指導のもと、厚底シューズを使いこなすための股関節周りやバランスを強化するためのトレーニングや動き作りに時間をかけている。

藤原監督にシューズの使い方、進化を続ける厚底シューズへの対応方法を聞くととても具体的に話が返ってきた。
「いわゆる厚底になる『シューズ革命』が起き、足を鍛えるのではなく、シューズに合った足作りも必要な時代になりました。その中でトレーニングの仕方や練習の仕方も変わってきたので、専門家からのアドバイスを積極的に取り入れることを意識しています」
「(今春リリースされた)NIKEのストリークフライ2は薄く、自分の足で蹴っているスパイクに近い感覚もあるので、トラックシーズンからの移行期には非常に良いと思っています。坂ダッシュの際にも使いやすく、ロードで使う厚底に慣れるという意味でも最適ですし、駅伝本番でも、短い距離の出雲駅伝などでは区間によって着用する選手も出てくるのではないかと思っています」
このシューズへの適応があるからこそ、以前に比べて大学生選手たちの練習は質も量もあがっているという。トラックを重視してきた中央大学でも昨季までと比べて「明確にチーム全体の月間走行距離が伸びている」そうだ。その背景も詳しく説明してもらっているが、この点に関してはぜひ動画で藤原監督の言葉を直に聞いて欲しい。

そして今回、シューズに関して最も驚いたのが、前回の箱根駅伝で1区区間賞の吉居駿恭選手をはじめ、多くの中大の選手が着用したNIKEの厚底レーシングシューズ「ヴェイパーフライ4」の使い方についてだった。
「今は競技においてシューズの影響が大きいので、そのシューズの特性をいかに活かすかというのを考えていかなければいけません。例えば、ヴェイパーフライ4は50kmほど走り込むと、うまく足が馴染んで、良い角度がつき、より反発が大きくなる傾向にありました。そのため30km走や大事なポイント練習で履き、使い慣らして本番を迎えるように工夫しましたね。F1のタイヤでいうところの『皮むき』が終わったような状況で、一番選手の反応が良かったです」
モータースポーツで「タイヤを温める」というのは聞くが、ここまで具体的にシューズの使用感を調整しているというのは初耳。「ジョグ程度ですが」と謙遜しつつ、今も走っているという藤原監督のシューズへの洞察はかなり深いものがありそうだ。
「駿恭は物事を俯瞰して見られるようになってきた」
今年の中央大学を牽引するのがキャプテンの吉居駿恭だ。5000mのスピードは大学トップクラス。日本記録更新も狙うエースだ。監督曰く、2学年上の兄・大和とは「タイプが違いますね」とのことで、本人も「キャプテンはやるとは思ってなかった」と苦笑いしていたが、監督はそのリーダーシップを評価している。
「走力は十分で、背中でチームを引っ張れますからね。物事を俯瞰して見られるようになってきたというか、言動も成長しており、チーム全体の雰囲気を作る役割を果たしています。夏合宿は苦戦していますが、泥臭い基礎練習を経験させることで、駅伝シーズンや将来の実業団での成長につなげられると期待しています」

トラック中心の前半戦、チーム内MVPは「2年生の…」
動画では、以下のようなトピックについて触れている。
- 「疲れが残らない」藤原監督の愛用シューズは?
- トラック中心の前半戦、チーム内のMVPは「2年生の…」
- 箱根駅伝5区を攻略するために必要なこと
- 「次のエース」岡田開成に感じた物足りなさ
- 各学年で核となる選手が見えてきた
- 世代No.1ルーキー・濵口大和への期待
- リクルーティングが順調な背景は?
- 1、2年生でしっかり教えるべき大切なこと
トラックで高い目標を掲げつつ、今季は三大駅伝、特に箱根駅伝で真っ向勝負に挑む指揮官の決意と戦略が伝わる約30分の動画インタビュー、ご覧ください。 (8月20日取材)
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