どこかで「魔法」を信じていたかもしれない。エディー・ジョーンズなら、なにか、きっと……。
淡い魔法への期待は、開始15分で氷解する。エラーが失点への伏線に変換。前半終了間際には点差を詰めようとアタックを仕掛けたが、それが失トライへとつながり3対26。この時点で勝敗は決した。
たしかに、相手が悪かった。昨年のW杯で4強に駒を進めた老獪なイングランド。日本がウォームアップマッチなしで挑むには、いささかハードルが高すぎた。
日本代表の先発メンバーの総キャップ数は151。そのうち84は主将のリーチマイケルのもので、彼ひとりが経験値の半分以上を背負っていた計算になる。対するイングランドの先発15人のキャップ数は522。「英国出発前に一度、日本に到着してから時差ボケのなかで一度全体練習をしただけです」と、スティーブ・ボーズウィックHC(ヘッドコーチ)は語ったが、わずか2回のセッションでこれだけのパフォーマンスを見せられるのだから、修羅場での経験値の尊さが分かる。
さて、日本代表として考察しなければならないのは「超速ラグビー」である。ジョーンズHCはイングランド戦を前に、「前半20分まで、相手が体験したことがないようなスピードでラグビーを展開する必要がある」と話していた。たしかにその一端は垣間見えた。序盤のアタックはボールリサイクルの速度が高く、「面白い」と感じるに十分だった。しかしそれ以降、日本は失速してしまう。
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