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「大スターだった自分をあっさり捨て…」愛弟子らがみた長与千種の才能、ライオネス飛鳥の優しさ《里村明衣子、立野記代が語る「極悪女王」が描かなかった2人》

2024/11/21
(左)全日本女子プロレス時代のライオネス飛鳥は、引退試合で立野記代と対戦(右)長与千種がGAEA JAPANでの引退試合で戦った相手は、愛弟子である里村明衣子だった
長与千種とライオネス飛鳥。後輩たちが、その凄さを語った。長与が示した魅せるプロレス。飛鳥ならではの万能な対応力。全く異なる、2人の資質に迫る。(原題:[後輩たちの証言]長与と飛鳥、それぞれの才能 里村明衣子/立野記代)

 ダンプ松本の“ヒール覚醒”を描いたドラマ『極悪女王』における、もう一人の主人公が長与千種だ。ダンプのライバルにして、練習生時代の親友。女子プロレス史上最高のカリスマでもある。

 長与とライオネス飛鳥のタッグ、クラッシュ・ギャルズは日本全土に大ブームを巻き起こした。その中で生まれた2人の衝突も、劇中では描かれている。

 どちらも一度はリングから離れた長与と飛鳥。しかし復帰を果たし、長与は自身の団体ガイア・ジャパンで後進の育成にも努めた。一方の飛鳥は復帰後、ヒールとして女子プロレス界のトップに。本稿では『極悪女王』には登場しない“愛弟子から見た長与千種”、“後輩から見たライオネス飛鳥”に迫りたい。

「いま思うと、長与さんは一番大事なことを一番最初に教えてくれました」

 そう振り返るのは里村明衣子。1994年に設立されたガイアの一期生として“驚異の新人”と呼ばれ、センダイガールズプロレスリングの代表である今は“女子プロレス界の横綱”の異名を持つ。そんな名レスラーの原点にあるのが、長与の指導だ。

「最初の教えは『リングに上がったら相手に恨みつらみを抱くな』というものでした。道場でのスパーリングが激しくなって髪を掴まれたりすると、どうしても感情的になってしまう。でも感情的になって相手にケガをさせてはいけない。『それはレスラーのやることじゃない』と」

 プロレスでは、感情が先走って相手にケガをさせてはいけないし、自分がケガをしてもいけない。ただプロレスラーなら“ケガはつきもの”という覚悟もある。

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photograph by TOKYO SPORTS PRESS / Sankei Shimbun

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