連日猛暑日が続いた2024年夏。酷暑を逃れる長野県菅平高原での大学ラグビーの練習試合。今夏最大のトピックは「ワセダ、帝京を破る」だった。それもスコアは38-14。大学選手権4連覇を目指す絶対王者に、早大が24点という大差をつけて圧勝。しかし、勝った早大の主将、佐藤健次は冷静だった。
「夏だけ勝っても仕方ない。僕が1年の夏も帝京に勝ったけど、対抗戦では負けて、大学選手権ではベスト8で明治に負けてしまった。やっぱり最後に勝ったチームが一番強いと言われるんだし、それまでの結果は関係ないかな」
日本代表トップと過ごし、大きく成長。
この日の佐藤のパフォーマンスは圧巻だった。前半24分にラインアウトからのモールで先制トライを決めると、35分には3度にわたってパワフルなボールキャリーを見せ、相手タックラーを引きずりながら豪快なトライ。40分にもラインアウトからトライをあげ、前半だけで3トライのハットトリック。さらにスクラムでは帝京大を相手に押し込み、課題だったラインアウトでも精度の高いスローイングでボールを獲得。早大の勝因のすべてに背番号2は強くコミットしていた。
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photograph by Nobuhiko Otomo