おかえり錦織圭! 本当の錦織選手が帰ってきた!
6年ぶりとなるジャパンオープンに推薦枠で出場し、ベスト8に進出。最後はマッチポイントを握りながらの惜敗だったが、錦織選手の唯一無二のテニスを目の前で感じ、幸せと悔しさを味わった数日間だった。
錦織選手のテニスの質の高さに驚かされた。
まずは錦織選手に謝りたい。彼は怪我に苦しめられ、今春まで長い間ツアーを離脱していた。もう僕の知っている錦織圭のテニスを見ることはできないのではないかと思っていた。でも、今回目にしたのは、進化を遂げた姿だ。
初戦の相手はマリン・チリッチ選手。10年前の全米オープン決勝で戦った相手だ。有明のセンターコートは、まさに死闘の舞台となった。その試合で僕が最も驚いたのは、錦織選手のテニスの質の高さだ。特に際立っていたのは、元々は弱点とされていたサーブ。本人もその出来に驚いていたが、平均スピードは168kmと速くはないものの、プレイスメントが抜群だった。セットカウント1-1で迎えた最終セット。お互いにすべてを出し尽くした戦いは、錦織選手に軍配があがった。僕は涙が止まらなかった。よくぞここまでカムバックして、苦しい試合を乗り切ったと。ただ本人は冷静に、まだ修正するべきポイントがあると語っていた。
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photograph by Tamon Matsuzono