フランスの地で「優勝」を目標に掲げたジャパンは、プール戦2勝2敗で敗れ去った。しかしこの男は、誰よりも最前線で身体を張り続けた。御年35歳、不動のリーダーが大会を振り返り、今後について語る。
時の流れは速い。ついこの間までW杯の熱狂の日々が続いていたラグビー界だが、もうリーグワンの開幕が目前に迫っている……だがその前に、W杯への思いに区切りをつけたい。それにはやはり、この人の声を聞きたい。W杯4大会連続出場、4試合で315分間ピッチに立ち、日本代表の先頭でタックルにボールキャリーに身体を張り続けたリーチマイケル。その声を聞いてこそ、僕らのマインドもW杯モードからリーグワンモードに移れる。
W杯から帰国し、チームへの合流を控えたリーチに、時間を取ってもらえた。最初の質問は、あえて直球を選んだ。「W杯はどうでしたか?」と聞くと、「(相手が)強かったです」と即答した。
「僕は全部出し切ったし、チームとしても準備したことは出し切りました」
――大会前の国内シリーズは1勝4敗。リーチさんはレッドカードで出場停止処分も受けました。W杯直前のイタリア戦も敗れ、チームを不安視する声も寄せられました。
「不安はありました。でも、イタリアに負けたあとにみんなでビールを飲んで、みんなで思っていることを言い合って、そこから良くなった。SOの松田力也もブラウニー(アタックコーチのトニー・ブラウン)とすごく話し込んで、そこからW杯に向けてチームがまとまっていった気がします」
――どんな話をしていたのでしょうか?
「思ったことを言っていいんだ、もっとチャレンジしろ……ブラウニーはそんなことを言っていました。トレーナーの佐藤(義人)さんが来ていて、キックのルーティンを見直したのも力也には良かったですね」
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photograph by Kiichi Matsumoto