ここまで出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに4位。2つの駅伝を振り返り、上位との違いをはっきりと言い切った榎木監督。来たる箱根駅伝で目指す「総合優勝」のために必要なこと、確実に成長しているチームについてじっくりと53分間お話をうかがいました。
「出雲駅伝は直前に留学生のけががあって、100%で臨めませんでした。その中で駅伝初出走の選手がいた中、前半上位で戦えたのはプラスになりました。一方全日本は、3区以降の『勝つ』執念、『絶対に優勝するんだ』という気持ちの差が大きく出た試合だったのかなと思います」
出雲駅伝、全日本大学駅伝の目標をともに3位と置いて臨みましたが、結果は両駅伝とも4位。2つの駅伝を榎木監督はこう振り返ります。
今シーズンのチームのスローガンは「進化の創花〜Next Stage」。3大駅伝の上位校になったものの、優勝争いはできていない現状に、次のチャレンジを掲げて臨んだ中で改めて上位3校、國學院大学、駒澤大学、青山学院大学との「差を感じた」といいます。
現在のチームを引っ張っているのは、名実ともにエースといえる存在となった吉田響選手。榎木監督は吉田響の走りについて「『駅伝をする』『戦う』を体現してくれている」と言いますが、彼の走りをチーム全体に波及させてくことが課題だと話します。全日本大学駅伝後、監督はチームに向けて「攻めることもせずに離されて終わっては、何も収穫がない」と厳しい言葉をかけたそうです。
その言葉が刺激となり、選手たちの練習への取り組みも変化。全日本直後の世田谷ハーフマラソンでは、川上翔太と斎藤大空が好走し、上尾ハーフは下級生中心ということもあり順位としての結果は出ませんでしたが、62分台のペースに挑戦する選手も見られました。
「過去一番弱い世代」が成長できる環境
学生スポーツにおいてチームをまとめるのに欠かせないのが、4年生の力。ですが、いまの4年生たちは、入学してきた時の5000mのタイムは吉田凌14分15秒が最速と「過去一番弱い世代」と言われるレベルでした。そこから大きく成長し、5000m13分台、10000m28分台のタイムを出す選手が出てくるようになり、編入した吉田響が加わってさらに戦力が充実してきました。
その彼らが新チームスタートの際に掲げた目標は「箱根駅伝往路優勝、総合優勝」。榎木監督はじめスタッフ陣も4年生の強い覚悟を受け止め、本気で箱根優勝に向かうチーム作りをしてきました。
「歴史を作っている段階、発展途上のチーム」と言いながらも、「毎年最高のチームができている」と話す榎木監督。往路優勝のためには、エース吉田響を5区ではなく他の区間に置くという戦略も…。
動画ではほかにもさまざまな話題について語っています。
・待たれる小池莉希の復活
・川嶋伸次総監督就任によるポジティブな影響
・OB葛西潤、日本選手権優勝とパリ五輪出場の大いなる刺激
・Next Stageへ、実業団選手とのレースにも出場
・前回箱根駅伝8位、課題をどう克服する?
・吉田響の「100%を超える力」を分析する
・「勝つ」チームの雰囲気とは?
・レベルが上がる陸上界をどのように見ているか
「箱根駅伝では嫌な存在になりたいですね」とも口にした榎木監督。「3強」を崩し、目標達成にどこまで近づけるのか。進化を続けるチームの今がわかるロングインタビュー、ぜひご覧ください。
(11月27日取材)
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