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韓国も興奮「まるで事件のような衝撃」大逆転りくりゅう金メダルに絶賛の嵐…高橋成美との再会、9歳の年齢差にも注目「ファンタジーな呼吸を誇るカップル」
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キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2026/02/19 06:00
得点を見てガッツポーズする木原龍一と驚く三浦璃来。歴史に残る大逆転劇に海外からも称賛の声が届いた
韓国メディアが、技術以上にこのペアの“強さ”として挙げたのが、三浦と木原の9歳という年齢差が生んだ独特の関係性だ。
通常、ペアでは経験豊富な年上がリードするものだが、極限のプレッシャー下で見せたのは“逆転の役割分担”だった。
『SPOTVニュース』は「『朝からずっと泣いていた』という木原に対し、三浦は『ウォーミングアップの時からずっと泣いていた。龍一のそんな姿は見たことがなかった。私が頑張ってお姉さん役をした』と、彼を激励した状況を語った」と報じている。
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韓国メディアはこれを、単なる“歳の差”を越えた美談としてだけでなく、互いの欠けた部分を完璧に埋め合う「ファンタジーな呼吸を誇るカップル」(SPOTVニュース)と評した。
精神的に追い込まれていたであろう木原を三浦の底抜けの明るさが補い、窮地に立たされた時ほどパートナーが精神的な支柱となる――。歳の差を感じさせないその人間味あふれる関係性について、演技直後のインタビューの言葉まで韓国メディアは詳細に伝えていた。
「感想を語っていた三浦璃来は『もうイタリアのティラミスが食べたい』と叫び、木原龍一は『眠れなかった。寝たい。泣きながら寝ていた』と疲れた声で語った」(SPOTVニュース)。
“対照的な2人の温度差”こそが、「崩れかけたメンタルを立て直し、世界最高得点へと繋げる原動力となった」と、韓国メディアは分析している。
韓国メディアが今回の“りくりゅう”の金メダルをこれほど熱心に報じたのには、彼らの勝利が「圧倒的な強さ」によるものではなく、「もろさを克服した強さ」だったからだろう。
カップル競技不毛の時代を先駆者として戦った高橋成美と木原龍一。その木原が三浦璃来という最高のピースを得て、ついにミラノの地で大輪の花を咲かせた。
韓国報道から見えるのは、単なる勝敗の記録ではない。かつては遠い世界の出来事だったペア競技という種目を、現実に昇華させたという事実――。9歳の差を超え、挫折を分かち合い、最後は“宇宙一”の演技と笑顔で終えた“りくりゅう”。ミラノの銀盤に刻まれたのは、不毛の地を希望へと変えた2人の足跡だった。

