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「今永昇太が絶対に必要」元WBC投手コーチが指摘する、現状19人井端ジャパンの“問題点”「最大の穴はショート」源田以外の選択肢は?「残り11人に欲しい名前」
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遠藤修哉Naoya Endo
photograph byJIJI PRESS
posted2026/01/24 17:01
カブス今永昇太(32歳)。ここまで19人のWBCメンバーには名前がなかった。最終ロースターに入るか注目される
「先発タイプの左腕が意外といない。宮城大弥(オリックス)は俺の中では候補だけど、昨季の調子を考えると絶対的とは言えない。メジャー組からは今永昇太(カブス)が絶対に必要なんだけど、こちらも不透明。昨年成績を落としたことも影響しているのかな」
WBCはMLBが主催する大会とはいえ、選手の派遣には球団の意向が強く反映される。ファンが望むドリームチームの実現は、水面下での厳しい交渉にかかっている。そんななか、武田氏が、期待の左腕として名前を挙げたのが、菊池雄星(エンゼルス)だ。
「投げるだけではない」菊池雄星の価値
34歳にしてWBCに初選出された菊池雄星。これは本人たっての希望だった。武田氏は、彼の価値を単なる成績以上のところに見出している。それは、7年にわたるメジャーリーグでの経験、すなわち「生きた知識」だ。
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「メジャーの投手は、それだけでチームにとって大きな価値がある。前回キャンプから合流し、侍の投手陣に大きな影響力を持ったダルビッシュ有(パドレス)が今回出場できないとなれば、カリスマ性は少し劣るけど、菊池の経験やデータが絶対に必要になってくる。俺が投手コーチだった第1回大会(2006年)の時なんて、数百万円単位のお金を払ってアメリカのデータ会社から世界中の打者のデータを“買っていた”くらい。そのおかげで投手陣は1試合3点くらいに抑えられた」
膨大なデータを集め、アナリストが分析する。それでもなお、埋められない最後のピースがある。それが、実際にマウンドで打者と対峙した者にしかわからない「体感値」だ。
「データ上はスライダーが苦手でも、『あいつのスライダーだったら、打てる』という打者もいる。逆に、データにはない意外な弱点もある。菊池のように、メジャーの強打者たちの弱点を長い間“体感で知っている”投手がいるだけで、バッテリーが立てる配球の質は格段に上がるはず」
「日本の投手は世界一コントロールがいい」
そのデータ野球を最大限に活かすことができるのが、日本投手陣の最大の武器である「再現性の高さ」だと武田氏はいう。
「データは万能じゃない。コントロールが悪ければ、どんな緻密なデータも意味をなさない。その点、日本の投手は世界一コントロールがいい。メジャーリーグを見ていても、本当にボールを操れているなと感じる投手は、各チームに2人くらいしかいないよ。でも、日本には数多くいる。メジャー球への対応は必要だが、この“再現性の高さ”があるからこそ、データに基づいたピッチングが生きる」
初対戦の打者が多い国際大会では、基本的に投手が有利とされる。
「ミスショットをせずに、データ通りに投げきることができれば、そう簡単には打たれない。だからWBCは投手主導の大会になりやすいんだよ」
「坂本のリードは日本で一番」
その「世界一の投手陣」をリードする司令塔・捕手の選考もまた、勝敗を左右する重要なポイントとなる。武田氏が注目するのは、坂本誠志郎(阪神)だ。

