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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
青学大・黒田朝日が「抜群にうまい」特徴とは? 箱根駅伝 “先輩山の神”神野大地が解く“シン・山の神”降臨の謎…「実は5区に合っている」武器
text by

佐藤俊Shun Sato
photograph byJIJI PRESS(L)/Nanae Suzuki(R)
posted2026/01/16 11:02
“シン・山の神”を襲名した黒田朝日(右)の走りを、先輩にして“3代目”の神野大地(左)はどう見たのか。神にしかわからない、神の走りの真髄を聞いた
「僕が91回大会で5区を走って先頭の駒澤大に追いついた時には、すぐに抜かずに並走したんです。そこまでけっこう頑張ってきたので、力を溜めたんですよ。でも、ちょっと並走してみて、ペースがぜんぜん合わないので、行っちゃおうと思って前に出たんです。
黒田君は早稲田を視界にとらえて、ラスト2〜3kmでもう抜けるって確信していたと思うんです。実際、何かのインタビューで、そこで追いつくのではなく、一回力を溜めて、抜く時に一気に行ったという話をしていたんですよ。工藤君は走力があるので、追いついて並走していくと、もしかしてラストスパートでやられるかもしれないと思ったので、無理をしなかった。
一方、工藤君からすれば、追いつかれたタイミングで一気に行かれるとメンタル的なダメージがかなり大きいですよね」
逃げ切れるのでは、と思った瞬間も
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ただ、この前に神野は、このまま工藤が逃げ切れるのではないかと思った瞬間もあったという。
「17kmぐらいの時かな、12秒ぐらいに迫った時、意外と黒田君が来ないなぁと感じました。もしかしたらこのまま流れていくのかもと思いましたが。でも、そこで黒田君は力を溜めて、どこでアクセルを踏むのかというコントロールがしっかりできていた。そういう状況下でも冷静な判断ができるところが、選手として一枚も二枚も上手だなと思いました」
黒田の強さは、そうした判断力のみならず、実はランニングフォームも坂に合っている、と神野は語る。
「黒田君は、意外と足が前に出るタイプだと思うんです。前にどんどん足が出ていくけど、体も前傾を保てているので、着地のタイミングが合っているんですよ。
僕の場合、足は前に出るんですけど、姿勢は後傾気味なんです。平地では足だけが前に行く走りになり、着地した後に上半身が遅れて前に来る感じで、課題でもあるんです。ただ、上り坂では傾斜によって普段よりも自然と前傾姿勢を取ることができるので、そのズレが僕にとってベストなポジションになるんです。
黒田君は、あえて坂で前傾姿勢を取るように意識をしているわけではなく、おそらく、坂も平地と同じ感覚で走っているんじゃないかなと思います」
もうひとつ、神野が黒田の走りで注目したことがあった。それはいったい何だったのだろうか?
〈全2回の1回目/つづく〉



