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青学大・黒田朝日が「抜群にうまい」特徴とは? 箱根駅伝 “先輩山の神”神野大地が解く“シン・山の神”降臨の謎…「実は5区に合っている」武器 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byJIJI PRESS(L)/Nanae Suzuki(R)

posted2026/01/16 11:02

青学大・黒田朝日が「抜群にうまい」特徴とは? 箱根駅伝 “先輩山の神”神野大地が解く“シン・山の神”降臨の謎…「実は5区に合っている」武器<Number Web> photograph by JIJI PRESS(L)/Nanae Suzuki(R)

“シン・山の神”を襲名した黒田朝日(右)の走りを、先輩にして“3代目”の神野大地(左)はどう見たのか。神にしかわからない、神の走りの真髄を聞いた

最初の区間は、行くか行かないか、だけ

 工藤との比較でみると、ラップで負けているのは小田原〜函嶺洞門(3.5km)の区間だけだ。1km2秒ほど黒田が遅いペースで、函嶺洞門までで7秒ほど差が開いた計算になる。

「最初の区間は、行くか行かないか、だけなので。工藤君は行った、黒田君は、少し抑えめでスタートした、という感じですね。函嶺洞門以降は全区間で黒田君の方が速いわけですけど、工藤君は過去2回より周囲からの期待も大きい中で、タイムも縮めたいという思いや、後ろから黒田君が走ってくるということもあって、少し速く入ってしまったのかもしれないですね。逆に黒田君は、時計をせず、自分の感覚で走っているので、無理なく、いいペースで入れたんだと思います」

 その後のラップを見ると黒田がペースを上げ、どんどん前との差を詰めていくのが分かる。大平台から宮ノ下の急坂、さらに小涌園前までを1km3分30秒を切るペースで上がっていくのは驚異的だ。

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 この大平台から小涌園前(4.7km)を、黒田は1km3分28秒、工藤は3分40秒ペースで走ったので、ここで黒田は57秒程度差を詰めた。この区間で順位変動があり、10km付近で工藤が柴田大地(中央大3年)を抜いてトップに。黒田も高石樹(國學院大1年)をかわして3位に上がっている。

本格的に追撃開始

 小涌園を少し越えたところで、工藤と2位の中央大との差は23秒。黒田と工藤の差は、この時点ではまだ1分02秒あった。

 だが神野が指摘したように、ここから本格的に追撃の幕が上がる。

 黒田は小涌園前から芦之湯までの4.1km区間でも、1km3分29秒ペースで駆け、工藤は1km3分40秒ペースだ。この区間では約45秒差が縮まった計算になる。

「もう全然勢いが違いました。大平台から小涌園前、小涌園から芦之湯の2区間で1km11〜12秒も違ってくるのは大きい。小涌園から芦之湯まで、黒田君と僕で1km5秒違いますけど、それでも大きいですからね。あそこで休みたくなるんですけど、まったくスピードを落とさずに維持していったのは、黒田君の強さだと思います」

【次ページ】 工藤が見えてからすぐには抜かなかった

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