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箱根駅伝「群雄割拠の2区」で分かれた“エースたちの明暗” 青学大の冷静、国学院は急失速、早大は魂の走り…中大は好走も「エースの走りではなかった」
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小堀隆司Takashi Kohori
photograph byYuki Suenaga
posted2026/01/03 06:04
2区で好走を見せた(左から)青学大の飯田翔大、中大の溜池一汰、早大の山口智規。一方で失速したチームもあり、明暗分かれる格好に
運営管理車に乗る花田勝彦監督からも「よく頑張った、ありがとう」と声がかかる力走。レース後の山口の表情も晴れやかだった。
「チームの力になれるように、わりとよく走れたのかなと思います」
昨年の日本インカレで日本人選手として大会史上初めて1500mと5000mの2冠を達成したスピードランナーだが、真骨頂は20kmを過ぎてからの粘りだった。文化放送のゲストとして招かれたプロランナーの吉田響は、2区の最後に待ち受ける「戸塚の壁」を懸命に駆け上る山口の姿を見て、ラジオでこんな感想を漏らしていた。
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「前半に力を使い切って、気持ちだけで走っていますね」
エースとして、チームのために死力を尽くす。前回の2区で日本人歴代最高記録で走った吉田だからこそ感じ取れた心境だと思うが、実際はどうだったのだろう。
ラスト1kmは…「何も覚えていない」早大・山口
山口が語る。
「その通りで、ラスト1kmはもう何も覚えてないです。本当にきつかった。みんなの声援が背中を押してくれました」
監督からの声は聞こえていたが、最後はそれに応える気力すらなかった。そして、冗談交じりにこう話す。
「総合優勝のためには往路優勝しないといけない。僕の区間だけが不安材料だったので、しっかり走れて良かったです」
この囲み取材の約3時間後、早大は往路2位でフィニッシュするが、エース山口の力走が後続のランナーを勇気づけたのは間違いないだろう。
まさか5区でこれほどまでの大逆転劇が見られるとは思ってもいなかったが、往路優勝をした青山学院大で、2区の飯田翔大(2年)がはたした役割も大きかった。
区間順位こそ10位だったが、5人の留学生や格上の上級生ランナーがいる中で、好タイムの1時間6分29秒でまとめたことは十分に評価されるべきだろう。

