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青学大“史上初の箱根駅伝3連覇”殊勲のメンバーは「町役場の職員」に!? 転機は西日本豪雨災害…中学駅伝で「全国4位」の強豪チームを育てるまで
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別府響Hibiki Beppu
photograph byNumberWeb
posted2026/01/06 11:02
2017年の箱根駅伝で青学大の3連覇に貢献した貞永隆佑。中学の陸上部を指導する立場となり、現在では全国的にも強豪のチームを作り上げている
3年生が引退した現在の部員は1、2年生だけで15人ほど。少子化の影響が顕在化している中では、かなり活気のある人数だ。また、決して高強度の練習ばかりをしているわけではないが、それでも貞永の熱意が伝播するのか、指導した選手の中から全中への出場者も出てきている。
「走って10分くらいの場所にある、実業団の中国電力さんが持っている陸上競技場を使えているのは環境的に大きいですね。前任者の方が色んな人たちに協力を頂いて、その競技場を無償で貸して頂けるようになった背景もあるので、本当に感謝しています」
指導3年目には…全中駅伝で4位入賞も
指導に携わって3年目の2024年には、6人でタスキをつなぐ中学駅伝で、広島県を制して全国大会まで出場。本番でも「優勝候補」とうたわれ、4位に食い込むほどの強豪チームにまで育て上げた。
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「人口1万3000人に満たない小さい町ですが、坂町の皆さんにも日頃から陸上部が学校の周りを走っている時にも声援を送ってくださっています。支えていただく環境が当たり前ではないですから、常に感謝の想いを持って生徒達とこれからも頑張っていきたいです」
わずか3年で全国制覇を狙えるチームを築いた手腕は、母校で辣腕を振るうあの“名物監督”にも似ているのかもしれない。その恩師の凄さについては、今だからこそわかる部分も増えたという。
「青学メソッドってよく原(晋)監督が言っていますけど、その確立までには日々データをとって、『ああじゃない、こうじゃない』と考えてやってきた何年間もの積み重ねがあるんですよね。
そのうえで、僕が入部した時にはもう『やるのが当たり前』という空気感がチームの中に完全にできていた。ああいう雰囲気になったら、当然チームは強くなります。練習内容とかは正直、どこのチームもそんなに変わらないんです。諦めずにそこまでの環境作りをしたというのが一番、すごいと思います。中学生なんで、もちろんそこまで厳しくはやらないですけど、『最低限このくらいはやらないとダメだよね』というベースになっている気はします」

