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「同期の平林(清澄)たちにジェラシーもあって」“山の神”の新チームに参加の“ラッパーランナー”の思い「神野(大地)さんと自分は似ている」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2026/01/02 11:06
神野大地監督率いるMABPに新卒で入社。始動初年度でのニューイヤー駅伝出場に貢献した中川雄太の駅伝への思い、神野監督との関係とは
神野の優しい視線は、練習中にもよく感じられた。400mのインターバルの練習をすると、スピードがある栗原に抜かれ、置いていかれる。悔しさを噛みしめていると、神野が「俺もそうだよ」と声をかけてくれた。
「僕はスピードに自信がないので、ラストスパートが心配で、よく神野さんに相談をするんです。すると『ラストの前の段階で、ある程度速いペースで押していけばいいよ』とアドバイスをしてくださって。
自分と神野さんって、自分で言うのもなんですけど、タイプ的にすごく似ていると思うんです。スピードはないですけど、長い距離を粘り強く走れる。神野さんも近いものを感じてくれているようで、『気持ちはよく分かる』『大丈夫だよ』といつも言ってくれるので、それはありがたいなって思います」
趣味のラップもいずれ披露できれば
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練習以外の自由な時間も増えて、オンとオフのメリハリがついた。中川の趣味はラップ音楽を聴くこと。KEIJUとIOというラッパーが好きで、よくラップのライブに行ったり、自分で曲を作ったりしている。
「詞とかは、上半期走れなかった時、けっこうできたんです。ちゃんと曲ができたら、みなさんにも聴いてもらいたいなって思っています(笑)」
ランナーだが、ラッパーとしても自分を表現したいと曲の完成度を高めている。
11月の東日本実業団駅伝に向けては、長い距離が得意なので少し前からロング区間の3区(16.4km)か7区(12.3km)を打診されていた。結局、直前に調子を上げてきた堀尾謙介が3区に入り、中川はアンカーの7区に配置された。
箱根駅伝で10区に配置されながら、直前の変更で走るチャンスを失ってから10カ月。富士通などの強豪より先着し、中川は6位でゴールテープを切った。
やっと箱根の悔しさを払拭できた
「それまで、箱根駅伝の悔しさが自分の原動力になっていたんです。大会は違いますが、走り終わってたくさんの人から連絡をもらって。そこでやっと箱根のことを払拭して、新しい目標に向かって頑張ろう、という気持ちになりました。前田さんからも、箱根の件は申し訳なかった、感動したってLINEをいただいて嬉しかったですね」

