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「同期の平林(清澄)たちにジェラシーもあって」“山の神”の新チームに参加の“ラッパーランナー”の思い「神野(大地)さんと自分は似ている」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2026/01/02 11:06
神野大地監督率いるMABPに新卒で入社。始動初年度でのニューイヤー駅伝出場に貢献した中川雄太の駅伝への思い、神野監督との関係とは
大きな怪我に繋がる前に監督とコミュニケーションを取り、状態を理解してもらうメリットは大きい。早い段階で少し休んで対処すれば大きな怪我に至らず、低強度ながらも継続して練習ができる。それはチームが最少人数で運営されていることも大きいだろう。ひとりでも欠けると東日本実業団駅伝を戦うのが難しくなるので、怪我対策はチームにとっては最重要事項だった。
「大学の時は常にメンバー争いという厳しさのなかにいたのですが、MABPはひとり欠けてもダメじゃないですか。チーム内の争いよりも自分の体、ということをすごく大事に考えるようになりましたし、自分が絶対に走らないといけないという自覚がより高まったと思います」
珍しく飛んだ厳しい言葉に……
6月に日体大記録会のレースで復帰したが、7月、ホクレン・ディスタンスチャレンジ北見大会の5000mでは14分18秒71と本調子には程遠い状態だった。その後、ホクレン網走大会では鬼塚翔太以外のメンバーが軒並みいまひとつのタイムに終わり、その夜のミーティングでは危機感を覚えた神野から「このままじゃニューイヤー駅伝出場は無理」などと、厳しい言葉が飛んだ。
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「普段、怒らない神野さんがそこまで言うということで、本気度が伝わってきました。ヤバいなって本当に思いました。そう言われるような結果だったので受け止めて、もっとやらないとダメだなって。そこで全員のスイッチが入った感じでした」
普段の神野は、カチンときても感情をそのまま放出せず、心を落ち着かせて冷静に話せるタイプだ。それゆえ、このミーティングで神野が危機感から発した怒気を含んだ叱咤は、選手の心にかなり響いた。
神野さんは怒っていても失速していく(笑)
ただ、実はそれ以前から中川は時折、神野に叱責されていたという。
「僕はけっこうチャランポランなので、ちょくちょく怒られていました。でも、神野さんは怒り慣れていないので、高校や大学の先生方と違ってあんまり怖くないんですよ(笑)。普通、怒っている人って、怒りがどんどん増幅してさらに怖くなるような感じがありますけど、神野さんは逆に失速していくというか。怒っている自分が嫌、みたいな感じなんです。だから逆に、怒らせるようなことをしてしまって申し訳ないなという気持ちになって」

