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大阪桐蔭“最強世代の背番号1”は保険会社の営業になっていた!「画面を見ながらパソコンを打つのは難しい」厳しい現実も…柿木蓮の「第二の人生」 

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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photograph byHideki Sugiyama

posted2025/12/29 11:04

大阪桐蔭“最強世代の背番号1”は保険会社の営業になっていた!「画面を見ながらパソコンを打つのは難しい」厳しい現実も…柿木蓮の「第二の人生」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

大阪桐蔭「黄金世代」のエースとして春夏連覇を達成した柿木蓮。6年間のプロ生活を終え、現在は保険会社の営業として第2の人生を歩んでいる

「人間性とか、挨拶もそうですし、社会に出ても大事なことはあります。でも、今までずっと野球をやってきたことは消えません。それは大事にしていきたい」

 実は昨年オフにあるクラブチームからコーチ兼選手ではどうか、というオファーもあったという。プレーしながら指導もできるのかと興味は湧いたが、決心に至らなかったのは「自分としてそんな風に野球を仕事にできるのかと言われるとちょっと違うのかなと思って」。まだそこまで自信もなかった。

 それでもいずれは野球に関わりたいと思っている。そう思うたびに、ふと故郷・佐賀の景色が頭をよぎる。

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「高校以降、佐賀に帰ることは少なかったんですけれど、知人の結婚式などもあって最近で今年は一番佐賀に帰ったんです。地元のチームで先輩が今指導者として頑張っておられるんですけど、もし(コーチなど)そういうお話があれば新たな発見があって楽しいと思いますし、そういう手助けがいずれはできたらいいですね」

「仕事して、結婚して…幸せな家庭を築きたい」

 そのために、まずは社会人としての道筋を明確にすることが今の柿木のテーマである。

「野球で食べていきたかったのが一番です。でも社会人としてどうしていきたいとか、自分として今はまだ具体的に決め切れていなくて。まず、ちゃんと仕事して、結婚して……幸せな家庭を築いていきたいって。今はそれだけしかないです。でも仕事をしていて、人の繋がりの大切さは感じています。出会う人を大事にしたいし、大事にされるような人間になりたいと思います」

 まだ25歳。一人の社会人として突き進む柿木の未来には、誰も知らない大きな可能性がまだまだ詰まっている。

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大阪桐蔭“最強世代のエース”はなぜプロで輝けなかった? 「性に合わずあれこれ考えるように…」元日ハム・柿木蓮が振り返る「結果が全ての世界」
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