大阪桐蔭“最強世代の背番号1”は保険会社の営業になっていた！「画面を見ながらパソコンを打つのは難しい」厳しい現実も…柿木蓮の「第二の人生」 

　そんな日々の中でもやはりふと野球が頭をよぎることがある。

「野球はしたくなりますよ。会社には野球経験のある方がたくさんおられて、会社で一度紅白戦をしたことがあったんですけど、実際はちゃんと投げられなくて。軟式だったので感覚の違いもありましたけど、一時期は体重が結構増えていて（苦笑）。今ではその頃から5、6キロは落ちました。やっぱり（投げるのは）しんどいですね」

　思えば7年前のドラフト会議では大阪桐蔭から1位2人を含めて同時に4人も指名され、大いに注目された。それから7年。その同期もプロの世界で大成功を収めているかと言われればそうではない。

ともにプロの世界へ進んだ同期3人は、いまだ球界で戦い続けている　©︎Hideki Sugiyama

同期、先輩…大阪桐蔭OBたちの現在

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　さらに最近は、大阪桐蔭の1年先輩の徳山壮磨がDeNAから戦力外通告を受けたニュースに柿木は心を痛めた。

「徳山さんは人として尊敬する先輩です。普段の練習から真面目にコツコツされる方で、徳山さんがいたから自分も頑張れるようになったんです。発言力はある方ではなかったですけど、あの人こそ背中で引っ張る人ですよ。

　同じピッチャーで同じチームで本当ならライバルですけど、自分は2年生の時に徳山さんから番号を奪ってエースになろうとまでは思わなかったです。徳山さんが絶対的なエース。その後ろで思い切り投げさせてもらっていました。一方で、あの1年上で8番を打っていた泉口さん（友汰・巨人）が首位打者争いをしているのは凄いですよね」

　自分も環境を変え、周囲の状況も刻一刻と変化していく。プロの世界はやはり厳しい。ただ、その環境に順応し、成長の活路を見いだせる可能性をどれだけ持てるか。柿木自身も今置かれる環境下でやっと1歩目を踏み出したばかりだ。

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