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「ロウキは楽しそう。表情を見れば分かる」“年の差12歳”ロハスが語り続けた、佐々木朗希への深い愛情…ドジャースと再契約、なぜ“重要人物”なのか? 

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斎藤庸裕

斎藤庸裕Nobuhiro Saito

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photograph byJIJI PRESS

posted2025/12/09 11:21

「ロウキは楽しそう。表情を見れば分かる」“年の差12歳”ロハスが語り続けた、佐々木朗希への深い愛情…ドジャースと再契約、なぜ“重要人物”なのか?<Number Web> photograph by JIJI PRESS

背番号を譲っただけでなく、佐々木朗希を気にかけ、良好な関係を築いてきたミゲル・ロハス

佐々木の大活躍に、ロハスが喜んだ日

 強敵フィリーズを倒し、地区シリーズ突破を決めた10月9日。守護神として活躍した佐々木について、ロハスはうれしそうに言った。

「彼の活躍が見られて、本当にうれしいよ。自分は主役じゃなくていい。チームが勝つために、仲間のためになるなら僕は何でもする。このまま彼がこの活躍を続けてくれるなら、11番は永久欠番、殿堂入りするよ」

 興奮気味に、チームを救った佐々木のパフォーマンスをねぎらった。一方で、シーズン終盤にさしかかる8月ごろは、見方が違った。「ロウキは、いったいどこにいるんだ?」。あるチーム関係者にこう言ったという。ただ居場所を問うような意味合いではない。どこで、何をしている……。なかなかメジャー復帰できなかった右腕へ、檄を飛ばすようなコメントだった。

「楽しそう。表情を見れば分かる」ロハスが見た佐々木

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 佐々木は5月上旬にメジャー初勝利を挙げたが、それからまもなく、右肩のインピンジメント症候群で長期離脱となった。リハビリが後退し、復帰時期が不透明な状況が続いた。一時期は、ロバーツ監督が8月下旬の復帰をメドとしていることを明かしたが、9月上旬になっても状態が上がらなかった。本人はもちろんロハスも、歯がゆい思いがあったに違いない。

 もっとも、思い入れが強かったのは背番号を譲ったことだけが理由ではない。シーズン序盤から、盛り上げ役としてもサポートしてきた。後に明かされたが、佐々木の本拠地での登場曲として定着したノリノリ音楽「Bailalo Rocky(バイラロ・ロッキー)」を勧めたのがロハスだった。スペイン語で「踊ろう」という意味のミュージックに、同僚とともにファンが一緒になって、リズミカルな動きで盛り上がった。

 自身もベネズエラ出身で、外国人選手として境遇は同じだった。徐々にチームになじんでいく佐々木を見て、ロハスは「来たばかりの頃とは全然違う。緊張もするだろうし、重圧もあるだろう。でも今はとても過ごしやすそうにしているし、楽しそうだ。表情を見れば分かる。それが、僕もうれしい」と、思いやっていた。

【次ページ】 ドジャース“ファミリー”の中心にいるのがロハス

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