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「お母さん…俺、仙台育英にするわ」“ノーコンだった少年”が甲子園で大活躍&ドラフト候補に成長するまで「元バレー代表“伝説リベロ”の母」が明かす成長物語
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/12/12 11:07
沖縄尚学との激闘の記憶が新しい仙台育英高・吉川陽大。元バレーボール日本代表でリベロとして活躍した母・津雲博子がここまでの歩みを振り返った
甲子園でも活躍した息子は、須江監督の勧めもあり、今秋にプロ志望届を提出した。自分で決めた道を貫く強さは親元を離れた3年間でも見て来た。それでも「あの陽大がプロなんて信じられない」というのも母の本音だろう。
「ドラフトのニュースやYouTubeのドラフト指名予想を見て、陽大の名前があると嬉しいし、なければ『お父ちゃん、アキの名前なかった』っていちいち落ち込む。家族にとってもビッグイベントですよ(笑)。指名されるか、指名されないか。どうなるかわからないですけど、たとえどちらだとしても家族としては応援するのみです」
残念ながら今年のドラフトで「吉川陽大」の名が呼ばれることはなかった。だが、これで夢が終わったわけではない。プロ野球選手になる挑戦は次のステージへと続く。
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「頑張る息子を応援するために、私たちも頑張る。今度はどこに部屋を借りようかな、とか。そんなことばっかり考えているんです(笑)」
かつて“世界のリベロ”と呼ばれ、歴史を刻んだ津雲博子。選手として夢破れても、妻、母として新たな道を生き、息子をドラフト候補に育て上げた。息子も次の目標に向けてスタートを切る。何度も折れても、逞しく。吉川家の物語は続いていく。〈全3回/第1回から続く〉

