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息子は仙台育英エース、ドラフト会議も現地で…元祖“世界一のリベロ”津雲博子（55歳）の今「野球にどハマり」「仙台にアパートまで借りちゃった」
posted2025/12/12 11:05
仙台育英高校エースとして活躍した吉川陽大（右）。元バレーボール日本代表の母がここまでの歩みとドラフト会議当日の様子を振り返った
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
（L）Jun Tsukida/AFLO SPORT（R）JIJI PRESS
「世界一のリベロ」と称され、バレーボール女子日本代表でも活躍した津雲博子（55歳）。今秋、仙台育英高校のエースとして甲子園で活躍した息子・吉川陽大がドラフト候補に名を連ねたことで再び彼女に注目が集まった。波瀾万丈なバレーボール人生と、子育て秘話を明かした【NumberWebインタビュー全3回の1回目／第2回、第3回】
18歳の次男は、今秋のドラフト候補の一人だった。母はスマートフォンに残る幼い頃の写真を眺めながら、時間の経過に想いを馳せる。
「すっかり（野球に）ハマっちゃって。（高校）最後の1年は、仙台に部屋まで借りちゃったんですよ」
仙台育英高校のエースとして今夏の甲子園を沸かせた吉川陽大は実力派の高卒左腕として10球団のスカウトから熱視線を送られていた。ドラフト会議当日には母・博子さんも仙台へ駆け付けた。惜しくも指名は逃したが、プロ注目選手にまで成長した息子をたたえた。
バレーボール一家で育った野球少年
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「吉川博子」と聞いてピンと来なくても、旧姓の「津雲」と目にすれば思い出す人もいるかもしれない。吉川陽大の母・博子さんは日本で初めて五輪に挑戦した、バレーボール女子日本代表のリベロの草分けとも言うべき選手だった。
陽大が甲子園で活躍した時、報道では決まって「母は元日本代表リベロ」と取り上げられた。だが、父・正博さんも元バレーボール女子日本代表監督で、NECレッドロケッツでも監督を務めた。アスリート一家で育った二人の息子が幼い頃からバレーボールを楽しむのは自然の流れだった。ただ、兄弟は野球にのめり込んだ。
なぜ、野球を選んだのか――おそらく飽きるほど聞かれたであろう問いかけに、博子さんは笑顔で応える。
