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W杯日本代表、F組も決勝Tも“難敵だらけ”…要注意はオランダでも欧州PO枠でもなく「過去7戦1勝だけのGS第2戦」予選10戦無失点チュニジアでは 

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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posted2025/12/06 17:48

W杯日本代表、F組も決勝Tも“難敵だらけ”…要注意はオランダでも欧州PO枠でもなく「過去7戦1勝だけのGS第2戦」予選10戦無失点チュニジアでは<Number Web> photograph by AFP/JIJI PRESS

北中米W杯、日本代表はグループFに振り分けられたが……過去大会から学べる傾向と対策、教訓とは

〈日本のW杯過去7大会、ポットとGL対戦順結果・順位〉※以下すべて ★=優勝経験国。勝=○、負=●、分=△
98年フランスW杯→ポット4
★アルゼンチン●、クロアチア●、ジャマイカ●=4位
02年日韓W杯→ポット1
ベルギー△、ロシア○、チュニジア○=1位

 初出場のフランスW杯、優勝候補アルゼンチン以外は初出場3カ国が並んだ。とはいえクロアチアは旧ユーゴスラビアが分かれたもので、ボバンにプロシネツキ、大会得点王に輝くスーケルが各ポジションに居並ぶタレント軍団で、最終的には準決勝まで進んで3位になった。一方、当時の日本代表メンバーで欧州組はゼロ(中田英寿は大会後にセリエAペルージャ移籍)。客観的に見て「2強2弱」だった。

開催国でポット1の02年は明らかにツイていた

 最も恵まれたのは、やはり自国開催でポット1に入った02年か。

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 ポット2~4を見ると「ポッド2=デンマーク、ポルトガル、クロアチア」「ポッド3=ウルグアイ、イングランド」「ポッド4=ナイジェリア、メキシコ」と、当時タレントぞろいだった難敵を回避できた。同組となった当時のベルギーには絶対的支柱のビルモッツがいたが、16年後のロシアW杯ベスト16で戦ったベルギーはデブライネにルカク、アザール、クルトワら各ポジションにワールドクラスを擁していた。陣容を比較すれば、ツイていたと言える。

06年ドイツW杯→ポット4
オーストラリア●、クロアチア△、★ブラジル●=4位
10年南アフリカW杯→ポット3
カメルーン○、オランダ●、デンマーク○=2位
14年ブラジルW杯→ポット3
コートジボワール●、ギリシャ△、コロンビア●=4位
18年ロシアW杯→ポット4
コロンビア○、セネガル△、ポーランド●=2位

 日韓W杯以降、日本代表は「主導権を握るのか」「リアクションでの一刺しを狙うのか」という天秤のバランスで揺れ動いた。前者を志向した06年と14年は敗退、現実的な後者を選択した10年と18年は決勝トーナメント進出と、明暗がハッキリ分かれた。その中で組み合わせを見ると、06年こそ監督を務めたジーコの母国ブラジルと同組になったものの、その後は3大会連続でW杯優勝経験国が組み込まれず。当時のオランダとコロンビアは両国ともにタレント集団だったとはいえ、ややツキがあったか。

 ただこの4大会、ヨーロッパ勢との対戦は1勝2敗2分けとなっている。終盤のボール回しが世界中の物議を醸したロシアW杯ポーランド戦は「負けても決勝T進出」の状況に持ち込めていたとはいえ、クロアチアやギリシャ相手に勝ち点1。第3戦のブラジルとコロンビア相手に勝つしかない状況に追い込まれ、結末はやはり厳しいものとなった。

じつは「GS第2戦」の通算成績が“悪すぎる”

 そして記憶に新しいカタールW杯である。

【次ページ】 じつは「GS第2戦」の通算成績が“悪すぎる”

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