大学野球PRESSBACK NUMBER

慶大ドラフト候補が“カブスから電撃オファー”…伝えた内定先企業の反応は? ドラフト会議前に「数社から内定」常松広太郎が語る“進路の胸中” 

text by

柳川悠二

柳川悠二Yuji Yanagawa

PROFILE

photograph byMasaki Fujioka

posted2025/12/01 11:02

慶大ドラフト候補が“カブスから電撃オファー”…伝えた内定先企業の反応は? ドラフト会議前に「数社から内定」常松広太郎が語る“進路の胸中”<Number Web> photograph by Masaki Fujioka

常松広太郎(慶應大野球部4年)にインタビュー。その半生と就活、カブスからオファーの裏側を聞いた

常松 父親にはいつも『お前は生意気すぎる』『もっと謙虚になれ』と怒られます。幼い頃からずっと、自分が何かをしようとする前に、必ず大きなことを口にして、後戻りできないようなプレッシャーをかけて、結果を残すことを大事にしてきた。口に出した事は必ずやらなきゃいけないじゃないですか。マイナーからメジャーを目指す今回の決断には(慶應大野球部の)堀井(哲也)監督にも『お前だから仕方ないな。面白そうだから行けよ』みたいな感じで応援してもらっています。

「いち阪神ファンとして彼を応援しています」

——イケメンですし、きっとモテるんでしょうね。

常松 そんなことはありませんけど、野球を頑張る理由にしても、就職活動を頑張る理由にしても、結局は女性にモテたいからじゃないですか?

ADVERTISEMENT

——まったく同じ事を先日インタビューした創価大の立石正広選手も口にしていました。

常松 (ドラフト1位で阪神から指名を受けた)彼が言うのと、僕が言うのとでは言葉の重さが違うと思いますが(笑)、いち阪神ファンとして彼を応援していますし、縦縞のユニフォームを着て活躍して欲しいです。

——プロ野球選手を目指す日本のアマチュアの多くは、「野球こそすべて」「甲子園こそすべて」の一心で幼い頃より白球を追い続ける日々を送ります。常松選手のように、野球以外の選択肢を常に持ちながら、プロの世界を夢見るような選手はほとんどいません。

常松 僕は野球が大好きですし、この世界で頑張って結果を出すことは大事なことですけど、いくら長く仕事としてやれたとしても40歳ぐらいまでですよね。あくまで人生の一部でしかなく、引退後の人生も長いし、野球が続けられなくなった時のことを踏まえて行動をするのは当然だと思う。もちろん、野球にすべてをかけて“今”に熱くなれないヤツは僕も寒いと思う。ただ、人生の大きな決断をするうえで、野球に固執しすぎるのも良くないと思っています。

◆◆◆

 国内のプロ野球で実績を残してから渡米する先人とは異なり、常松の場合はゼロに等しい実績からの挑戦となる。そんな男が、近い将来、鈴木誠也らと共にラインアップに名を連ね、大谷や山本らと対峙することになれば——先人とは異なる形で日本人選手の可能性を世界に示すことになる。

#1から読む
ドラフト指名漏れ→ゴールドマン・サックス就職が一転して…メジャー名門球団から電撃オファー、慶大・常松広太郎が語る“気になる進路”ウラ側
この連載の一覧を見る(#1〜3)

関連記事

BACK 1 2 3 4
#慶應義塾大学
#シカゴ・カブス
#常松広太郎
#清原正吾
#清原和博
#阪神タイガース

大学野球の前後の記事

ページトップ