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慶大ドラフト候補が“カブスから電撃オファー”…伝えた内定先企業の反応は? ドラフト会議前に「数社から内定」常松広太郎が語る“進路の胸中” 

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柳川悠二

柳川悠二Yuji Yanagawa

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photograph byMasaki Fujioka

posted2025/12/01 11:02

慶大ドラフト候補が“カブスから電撃オファー”…伝えた内定先企業の反応は? ドラフト会議前に「数社から内定」常松広太郎が語る“進路の胸中”<Number Web> photograph by Masaki Fujioka

常松広太郎(慶應大野球部4年)にインタビュー。その半生と就活、カブスからオファーの裏側を聞いた

常松 指名がなかったときには、「そうだろうな」と思いました。(ドラフト翌週の)早慶戦で良い終わり方をして、社会に出る準備に取りかかろう、と。順位縛りや育成なら行かないというような条件は伝えていませんでしたが、六大学の選手の情報というのは出回っていて、スカウトの方々も僕が内定をもらっていることは知っていたはずですから、育成で指名されることもないだろうなと思っていました。

採用試験を突破した“GSの就活”

——しかし、常松選手が異例なのは、大学3年生で就職活動をし、最難関とされるゴールドマン・サックス(GS)の内定を得ながら、大学4年生になって志望届の提出を決断したことです。もちろん、指名漏れに備えて社会人野球のチームから内定を得ているケースはありますが、指名に漏れたらすぐに引退し、就職するケースは稀でしょう。

常松 3年の秋は就職活動でずっと忙しかったですが、それはプロ野球選手の夢とは別軸で考えていました。投資銀行で働いている親戚がいて、僕のオヤジも似通ったような業態で働いていて。僕も将来、金融マーケットの最前線でたくさん稼ぎたいというふうに思っていて、今取り組んでいることとか、蓄えている知識を活かせる職業を選択肢として持っておきたかったんですね。そして余裕のある状態(内定を得た状態)で最後の1年野球ができたら、楽しいだろうなと思っていたんです。日系の企業に行くんだったら、4年春とか、引退したあとに就活浪人してでもやればいいと思うんですけど、外資系の投資銀行は早いタイミングで採用試験がある。3年秋のタイミングで就職活動に力を入れるしかないと思っていました。そして昨年の11月に一社から内定をいただき、その後、今年に入って数社から内定を得ました。

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——そのなかでゴールドマン・サックスというと、就職が最難関の企業といわれます。採用試験も他社とは大きく違うのでしょうか。

常松 とにかく人に会う回数が断トツで多いですね。一度に5人ぐらいに面接をされるんですけど、それを幾度も繰り返す。とにかく企業として採用に労力とお金をかけていることが伝わってきました。金融業というのは形あるアセット(資産)が何もなくて、結局はその企業で働く人こそが財産であり、人材の登用に対して多大な投資をしていることは採用試験を通して感じました。

「カブスからオファーが…」内定先企業の反応

——しかし、内定をもらっていた企業に内緒でプロ志望届を提出することはできませんよね。たとえば、GSにはどのように説明していたのでしょうか。

【次ページ】 「カブスの経験は必ず生きる」

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