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「このゲームはまだ死んでいない!」南野拓実こそ“最重要”だ…森保体制で最多出場・最多得点の男が頼れる理由「日本人の強みを発揮してくれる」 

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佐藤景

佐藤景Kei Sato

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2025/11/27 17:01

「このゲームはまだ死んでいない!」南野拓実こそ“最重要”だ…森保体制で最多出場・最多得点の男が頼れる理由「日本人の強みを発揮してくれる」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

ブラジル戦で追撃のゴールを決めてチームを鼓舞する南野。森保ジャパンで最多出場、最多ゴールのこの男の重要性を改めて検証した

W杯最終予選で見せた覚悟

 しかし、南野の『強み』は、追われる立場から追う立場へと変わったこの頃に発揮されたと思われる。三笘がケガにより万全な状態ではなかったアジアカップ・カタール大会(2024年1月)では先発でもサブでも自らの役割を全う。チームのためにプレーし続けるその姿は、ピッチ内外で仲間を鼓舞した。復帰後、背番号は10番から8番へと変わっていたが、数字が軽くなった一方で、代表で戦う覚悟も背負う責任も増したように感じられた。

 その変化がよりわかりやすい形で伝わってきたのは、北中米W杯アジア最終予選に入ってからだ。守備的に戦うアジア勢を攻め崩す策として、チームが両ウイングバックにアタッカーを置く3−4−2−1を採用すると、トップ下の一角を南野が担うケースが増えた。

 それはゴールに絡む攻撃面はもちろん、守備面でもポジティブな効果をもたらした。元よりネガティブトランジションにおいてファーストディフェンダーとして相手のボールホルダーにプレッシャーをかけるプレーに定評はあったが、チームがハイプレスに磨きをかける中で欠かせない存在であることを証明した。

キャプテンマークを巻いて

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 最終予選を終え、北中米W杯に向けて『対世界仕様』の強化をスタートさせた中でも、南野らしいプレーと精神的な強さが見られた。10月シリーズでは遠藤航が負傷で不在の中、パラグアイ戦、ブラジル戦ともキャプテンマークをその腕に巻き、ピッチに立った。

 ブラジル戦は試合前の円陣で「親善試合ではなく、歴史を変える試合にしよう」と檄を飛ばしたものの、前半で2点を先行される苦しい展開となる。だが、ハーフタイムに「このゲームはまだ死んでいない」と仲間を鼓舞。チームは後半に積極果敢なプレスでペースを握り、逆転に成功したが、反撃の狼煙を上げる1点を決めたのも南野だった。前線から連動したプレスを仕掛け、相手センターバックのミスパスをインターセプト。冷静にGKの位置を確認し、ボールを蹴り込んだ。

【次ページ】 自分がどうであれ、W杯で勝ちたいという思い

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