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「マキノらに弓矢ポーズ、パクられた(笑)」名ブラジル人FWウェズレイは今、代理人に「貧困家庭の子が多いから学業を。ただ、これがツラいよ」
posted2025/11/16 11:02
現在は代理人業に携わるウェズレイ。サンフレッチェ広島時代のユニフォームを着て「弓矢ポーズ」
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沢田啓明Hiroaki Sawada
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Hiroaki Sawada
2000年のJリーグファーストステージで、名古屋グランパスは16チーム中12位と苦戦。得点力不足を補うため、セカンドステージ序盤の7月、ウェズレイを補強した。本人は当時の記憶をこう回想する。
呂比須ワグナーがいたから
――シーズン途中からの入団でしたが、チームにはすぐに馴染めましたか?
「監督がブラジル人(ジョアン・カルロス)だったから、コミュニケーションの問題はなかった。また、ブラジル出身のロペス(呂比須ワグナー)がチームにいて、Jリーグのプレースタイル、日本文化、日本人のメンタリティーなどについて親切に教えてくれた。彼には本当に感謝している」
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――7月22日のジェフユナイテッド市原戦で後半途中から初出場。4日後のセレッソ大阪戦でも後半途中にピッチへ入って初得点。そこからレギュラーになった。
「出来上がっているチームに入るのは簡単じゃなかったけれど、すぐに結果を出すことができた。試合に出ながら連係を高めていった」
――この半年で、9試合7得点とチームに貢献。名古屋はセカンドステージの成績は7位で、年間総合順位を9位まで上げた。「日本でもやれる」という手応えをつかんだのでは?
「そうだね。日本でどうすれば周囲に受け入れてもらえるかもわかったし、日本語のフットボール用語も覚え、試合中、チームメイトとコミュニケーションを取ることもできるようになった。日本での生活にも早く慣れることができた」
――2001年はJリーグで28試合21得点と活躍。7月にピクシーが引退したチームを5位へ押し上げた。2002年はヴァスティッチ(オーストリア)と一緒にプレーして20得点。そして、2003年はマルケスとコンビを組み、22ゴールをあげて得点王に輝き、ベストイレブンにも選ばれます。
「チームメイトとの連係が格段に向上し、また対戦相手のDFのこともわかってきた。マルケスは元々、自分が好きで研究していた選手だし、ブラジルで彼のチームと対戦したこともあったから、どんな選手かは良くわかっていた。僕とはタイプが違うけれど、相性が良かった」
弓矢ポーズ、マキノにパクられたけどね(笑)
――第1回で触れたネルシーニョ監督との確執もあって、05年に名古屋を退団。古巣バイーアとアトレチコ・ミネイロでプレーした後、2006年、サンフレッチェ広島に加わります。佐藤寿人とのコンビでゴールを量産した。広島では、片膝をついて左手で弓矢を射るパフォーマンスが人気を集めた。

