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「クボ、ミトマ、ミナミノ、ドウアン…今やサッカー大国だ」元日本代表監督トルシエがブラジル撃破に大喜び「アンチェロッティは何と言ったのか?」
text by

田村修一Shuichi Tamura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/11/06 17:16
ビニシウス・ジュニオールと久保建英のマッチアップ。所属クラブでの日常の戦いから、日本代表選手はハイレベルな競争でタフになっている
「ブラジルやアルゼンチン、スペインと同等の力を身につけたという意味ではない。とはいえ日本は大きく成長した。苦しむことを学び、耐えることを学んだ。そして今、それにどう対処するかを学んだ」
――ゲームキャプテンの南野は、試合前に「今日は日本サッカーの歴史を変える日だ」という檄を選手たちに飛ばしました。
「その通りで、日本は歴史を受け入れるのではなく、自分たちで歴史を作り出せるようになった。自分たちの歴史は自分たちで作る。W杯にしても、参加することに意義のあった時代はもう終わった。以前は本大会に出ることが目標だったが今は違う。結果を得るために出場している。そして世界の中で待ち受ける自分たちの運命に自信を持っている。だからこそ、歴史を自分たちの手で築きたいと願っている」
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――その意味で象徴的な試合だったのかも知れません。
「以上が2025年についての私の第一の分析だ。もちろん11月にまだ2試合あるが(14日に日本対ガーナ。18日に日本対ボリビア)、ブラジルはサッカー大国の象徴であり、日本に観光気分で来たわけではない。カルロ・アンチェロッティ新監督には重圧がかかり、選手も試合に集中していた。
繰り返すが、試合には前半と後半で異なるふたつの顔があった。日本の勝利は冷静さを保ち続けた結果であり、選手たちが成熟して壁を突き破った結果だった。アンチェロッティは試合後に何と言っていたのか?」〈下の【関連記事】に続く〉

