「この1勝は1.5勝の価値」ドジャース山本由伸の偉業・2連続完投勝利にNHK解説者が見た真価「勢いだけでない投球術」を発揮した“ある場面” 

　こうして2試合連続の完投勝利。これは大変なことです。前回ポストシーズンで連続完投勝利を挙げたのは2001年のダイヤモンドバックスのカート・シリング投手までさかのぼるそうですが、この頃と今とでは時代がまったく違いますから。

　当時のシリング投手はレギュラーシーズンでも何度も完投していましたし、このときのダイヤモンドバックスは、ランディ・ジョンソン投手との二枚看板が頼みの、おんぶに抱っこ状態でした。それに対して、分業制が確立した現代では、そもそも先発投手が100球、相手打線3巡目以降まで投げることも少なくなっています。

1.5勝の価値ある1勝

　その中でのこの投球ですからいっそう価値が高いですし、よく日本シリーズでも言われるような「2戦目の重要性」からすると、相手の勢いを、しかも敵地で止めてホームに戻れる1勝というのは、ただ星取り上で1勝1敗になっただけではありません。1勝であって1.5勝くらいといいますか、計り知れない価値ある完投でした。

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　さて、後編では、第1戦も振り返りつつシリーズを展望してみましょう。

〈全2回の1回目／つづく〉