「この1勝は1.5勝の価値」ドジャース山本由伸の偉業・2連続完投勝利にNHK解説者が見た真価「勢いだけでない投球術」を発揮した“ある場面”

　いよいよ、ドジャースとブルージェイズのワールドシリーズがはじまりましたね。リーグ優勝決定シリーズまでアメリカで現地解説していた私ですが、今は帰国して午前中はワールドシリーズ、夜は日本シリーズと大忙しです。

ブルージェイズ打線とドジャース先発陣の激突

重圧のかかる第2戦で抜群のピッチングを見せた山本　©Getty Images

　それにしても第2戦のドジャース山本由伸投手のピッチングです。試合の順序からいうと前後しますが、どうしてもここから触れないわけにいきませんね。私はシリーズ前には、勢いづいたブルージェイズの強力打線を、ドジャースの好調な4本柱の先発陣がいかに食い止めるかがポイントだと見ていました。

　過去のワールドシリーズでは、リーグ優勝決定シリーズを4勝3敗で勝ってきたチームと4連勝してきたチームが対戦したことは4回あるのですが、すべて4勝3敗で来たチームが勝利しているそうです。確かに日本のクライマックスシリーズなどでも、待ち受ける1位チームが、試合までの間が空いたせいか苦戦するケースがありますね。

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　ですので、このジンクスを聞くといっそう、勢いに乗ったブルージェイズに対して、4連勝したものの、いい流れにちょっと間が空いてしまったドジャースに難しさもあるのかなという気もしていました。

初戦に大敗した重圧のなかで

　実際に第1戦はブルージェイズ打線が爆発して11-4と大勝しました。そんななかで、特に落としたくない、非常に重圧のかかる第2戦の先発が山本投手に託されたわけです。

　結果としてはもう、なんと褒めればいいのか言葉が見つからない快投を見せてくれての、ポストシーズン2試合連続の完投勝利。本当にすごいとしか言いようがありません。

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