「スネルと山本由伸があんなに抱き合って」現地のNHK解説者が目撃したドジャースの“一体感”…登板拒否の前科ある男が「一番雰囲気がいいチームだ」

　強敵ブルワーズに敵地で2連勝したドジャース。私は現地でNHKの解説を務めていますが、ここだけの話、シリーズ前には、いかにブレイク・スネル投手、山本由伸投手を先発に立てたとしても、連勝は難しいのではないかと考えていました。

　ブルワーズは今シーズン、ナ・リーグで最高勝率のチームです。打線の一発の破壊力ではカイル・シュワーバー選手らのいるフィリーズや、大谷翔平選手らのドジャースほどではないですが、投打のバランスがよく、守備が固く、盗塁数も164でリーグトップ。ホームの後押しも受けるなかでは簡単に倒せる相手ではありません。

ブルワーズ「積極打法」を手玉にとったふたり

リーグ優勝決定シリーズでもシリーズ開幕投手として申し分ないピッチングを見せたスネル　©Getty Images

　ところが、スネル、山本の両先発投手が本当に素晴らしかったです。まず第1戦のスネル投手、前回のフィリーズ相手の登板も素晴らしかったのですが、いい意味で前回とまったく一緒でした。さすがはサイ・ヤング賞投手です。ストレートとチェンジアップ、それにカーブを織り交ぜて攻めていきますが、どれをとっても抜群。ブルワーズ打線は早いカウントから積極的に振りに行って攻略しようとしていましたが、チェンジアップを空振りする場面が目立ちました。

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　この傾向は翌日の山本投手に対しても同様で、積極的にスイングをかけていこうという意図がはっきり感じられましたね。だからこそ、初回の初球をジャクソン・チョリオ選手が先頭打者ホームランという結果が出たわけです。しかし、言ってしまえばこれは出会い頭みたいなもの。山本投手が秀逸だったのは、ここで動揺せずにしっかりと続く3人をピシャリと抑えたところでした。

　球の質、スピード、制球いずれも、前回登板よりよくなっていたように見えました。特によかったのは、フィリーズ戦で制球のいまひとつだったスプリットが改善されていたことです。スネル投手と同じように、落ちる球で積極打法のブルワーズ打線を空振りさせていましたね。

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