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堂安律も鎌田大地と長谷部誠のEL制覇も…日本代表を獲り続けてドイツ強豪に「開拓者はタカハラ」「イナモト、イヌイも」フランクフルト番記者が称賛
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ティーモ・ミュラー(『キッカー』誌)Thiemo Muller(Kicker)
photograph byJFA/AFLO
posted2025/11/02 17:01
鎌田大地と堂安律。コーチの長谷部誠らを含めて、アイントラハト・フランクフルトと日本人の縁は深い
2006年夏、ハンブルガーSVから移ってきた当時27歳のストライカーは前所属先での不振の鬱憤を晴らすように、デビューシーズンから活躍。“タカ”の愛称で親しまれたFWは、ブンデスリーガで最初で最後となる二桁得点(11。各国の1部リーグでもこれが最後の二桁得点に)を記録し、カップ戦では4試合で4ゴールをマークし、チームの準決勝進出に寄与した。
だが翌2007-08シーズンは怪我やライバルの台頭もあり、出場機会が激減。半年後には浦和レッズ──フランクフルトと長くパートナーシップを組んでいるクラブ──へ移籍した。高原、ウーベ・バイン(1990年W杯で優勝した西ドイツ代表の一員)、ウーベ・ラーン(1987年ドイツ年間最優秀選手)、そして長谷部が、双方のクラブでプレーした4人のビッグネームだ。
イナモトの20番、そしてイヌイも
高原の2年目に稲本潤一もフランクフルトに加わった。ガラタサライから移ってきたセントラルMFは、背番号20──のちに長谷部と堂安が続く番号──を着用。ただしパフォーマンスには波があり、チームも中位を彷徨った。2002年日韓W杯で貴重なゴールを2度も奪った頃が、彼のピークだったのかもしれない。
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稲本がレンヌへ移籍した2009年夏から3年後、乾貴士が加入。前のシーズンに2部のボーフムで好感触を得ていた軽快なアタッカーは、序盤からゴールやアシストを連発し、ブンデスリーガ第5節までに3試合連続得点に3アシストと、強烈な印象を与えた。高度なスキルと俊敏な動きで間を制した乾は結局、6得点と8アシストを記録して1年目を終えた。
だが乾も高原、稲本と同様に1年目が最高のシーズンに。長谷部が加わった2014-15シーズンは9アシストを記録するなど、まずまずだったが、2015年夏にエイバルへ去っていった。言葉の壁やチームメイトとの関係を築けなかったことに苦しんでいたと伝わる。
2014年夏に入団した長谷部は1年目から中盤のレギュラーとなり、2年目は右サイドバックも高度に兼務する汎用性の高さを見せてほぼ同じ試合数に出場したが、チームは昇降格プレーオフでなんとか残留したことを踏まえると、1年目を超えたとは言えない。
EL制覇の鎌田も2年目以降飛躍した
2年目により飛躍した初の日本選手は、2017年夏に参戦した鎌田だ。

