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日本代表ブラジル撃破ウラ話「僕、ヘディング下手くそだった」上田綺世が完璧CKで決勝ゴールのナゼ…「リスペクトを込めた」仲間5人の協力
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/10/18 11:01
ブラジル戦で殊勲の決勝点を奪った上田綺世。かつて得意ではなかったセットプレーでのゴールにあった仲間の協力とは
(1)相手ゴールエリアに構える5人のうち2人は、それぞれニアサイドの南野拓実と、中央寄りの鈴木淳之介のケアをしていた
(2)1人は、目の前に日本の選手が入ってきた時に対応する準備をしていた
(3)最もニアサイドにいた1人は、渡辺剛と谷口彰悟の動きに引っ張られた
(4)最もファーサイドにいた1人は、日本の選手が飛び込んできたときに対応する準備をしていた
※(2)と(4)は最終的に、日本の選手が飛び込まなかった
その上で、ゴールエリアの外にいた3選手はどうしたかというと――彼らも、ニアサイドに走りこんだ渡辺と谷口の2人の動きにつられた。
その結果、鈴木淳之介とそのマーカーと、ファーサイドで構えていたベラウドとの間にスペースが生まれた。
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そしてゴール前に入るタイミングをあえて遅らせた上田は、そのスペースに飛び込んだ。本来であれば3人のうちの誰かが上田を警戒すべきだったが、それができなかった。
彰悟くんも剛くんも入り方が上手なので
そんな状況を踏まえた上で、上田自身の解説に目を通すと、ゴールのメカニズムがより鮮明に見えてくる。
「僕はスペースを見つけて(マークを)はがして入る(のを好んでいる)から、感覚的に相手マーカーと1対1で(助走を)スタートするのが得意ではないので……。クロスが上がってくる前に一歩下がって、他の選手にマークをついてもらった上で、自分がフリーで受けるための駆け引き、準備は少ししていました。マークが外れた段階で、スペースを見つけられると思っていました。彰悟くんも剛くんもセットプレーの入り方が上手なので、彼らへのリスペクトも込みで、やらせてもらいました」
上田はあえて言及はしなかったが、ニアサイドで、相手をブロックするよう形で構えていた南野と鈴木淳之介、そして最高のボールを蹴りこんだ伊東を含めた5人の協力があった。だから、上田はフリーで飛び込めた。そして、ゴールを決めた。
ヘディングが下手くそだったからなのか…
思い出すのは、先月のアメリカ遠征である。
2試合を中継したU-NEXTの企画で上田にインタビューをさせてもらう機会があり、どうしても気になっていた質問をさせてもらった。
それはカタールW杯のコスタリカ戦、日本にとって1本目のCKだ。

