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「ええっ、嘘でしょ!?」ドジャース佐々木朗希3回またぎは“想定外”だったNHK解説者…ロバーツ監督と直接話して気づいた「大胆起用」の理由
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小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph byGetty Images
posted2025/10/11 17:02
10回表、よもやの3イニングまたぎを投げ切った佐々木朗希をベンチから出て迎えるロバーツ監督。小早川毅彦氏はこの決断に驚愕した
ミスでの決着は想定できた
試合の幕切れについては皆さんご存知の通りで、11回裏にオライオン・カーカリング投手の悪送球のエラーでドジャースがサヨナラ勝ちを収めました。意外な決着でしたし、こちらで試合後にスポーツ番組を見ていても、再三エラーのシーンを検証するなど話題になっています。ただ、大きな舞台でロースコアの延長戦となると、ホームランか、こういう思わぬミスで決着がつく可能性はけっこうあるんです。私としては、ミスが出る形もある程度は頭の中で想定していました。
カーカリング投手はまだ24歳の若い選手。一度ゴロをうまく捕れなかったので慌ててしまって、キャッチャーが「一塁に投げろ」と指差していたのも目に入ってこなかったのかもしれませんね。経験が足りない部分もあったのでしょう。ただ、がっくりと落ち込む彼をシュワーバー選手はじめチームメイトが囲んで慰めている場面は、スポーツマンシップを感じて私もちょっと涙が出そうになりました。
まったく想定外だったのは……
さて、この幕切れがある程度想定内だった一方、まったく想定外だったのがロバーツ監督の決断でした。そう、佐々木朗希投手の3イニングまたぎ登板です。7回表に先制されるとすぐさまその裏にチャンスを作り、フィリーズが勝負手で投入したクローザーのジョアン・デュラン投手から押し出しの1点をもぎ取って同点に。迎えた8回表のことでした。
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もちろん、放送席からはブルペンで佐々木投手が準備しているのが見えるのですが、私としては「ええっ、8回から?」と半信半疑の気持ちでした。どうしても、佐々木投手は1イニング限定という頭があったんですね。試合後のコメントだと、ロバーツ監督は当初2イニングを考えていたようですが、それすら私は想定外でした。

